猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で開幕は延期になったが、いずれの球団も来るべき時に備えて準備を進めている。果たして、ソフトバンクの野手陣はどのような陣容で開幕を迎えるのか。一軍で出場機会を得られそうな選手を対象に、キャンプやオープン戦で見えてきた現時点での序列を整理する。

＜記号の見方＞
◎＝不動のレギュラー、〇＝有力レギュラー候補、△＝バックアップ、★＝将来のレギュラー、×＝故障離脱中／開幕二軍濃厚

【捕手】
◎甲斐拓也
△髙谷裕亮
△栗原陵矢
★九鬼隆平
★海野隆司【NEW】

　３年連続ゴールデングラブ賞の「甲斐キャノン」は、かつてのホークスの名捕手、故・野村克也氏の背番号「19」を継承するなど、いまやチームの顔。好リードの38歳のベテラン・髙谷のバックアップも心強い。打力に定評のある６年目の栗原を左翼や一塁で起用する構想も浮上しており、今季は「2.5人態勢」となりそうだ。九鬼はリード面でさらなる経験が必要で、海野は宮崎キャンプ中に右ヒジ痛を発症、故障明けからじっくり育成する方針。

【一塁】
〇内川聖一
〇中村晃
△明石健志
△栗原陵矢

　基本線は内川になりそうだが、宮崎キャンプ中に左ヒザ関節炎を発症、調整がやや遅れている。相手投手の右左などによって、中村晃の起用も十分にあり得る。好打のベテラン明石や、本来は捕手の栗原の起用も考えられており、競争は激化しそうだ。

【二塁】
〇牧原大成
〇周東佑京
△明石健志
△髙田知季
×川島慶三

　総合力で牧原が頭一つ抜け出した感があるが、“日本を代表する俊足”周東が打撃の確実性を上げることができれば、序列が一気に逆転する可能性もある。明石の勝負強さや高田の堅実な守備も、バックアップに不可欠な存在だ。 【三塁】
◎松田宣浩
△グラシアル
★リチャード

　５年連続全試合出場中の37歳「熱男」は今季も健在。基本的にはレフトに入るグラシアルだが、三塁の守備もそつなくこなすことができ、攻撃重視のオーダーの際には、グラシアルが三塁、松田が一塁に入るケースも想定されている。リチャードの長打力は王貞治会長もお気に入り。16日に支配下登録されたこともあり、将来の「ポスト松田」の一番手に浮上してきた。

【遊撃】
◎今宮健太
△髙田知季
★三森大貴

　攻守の要として、今宮の存在感はアップしているが、故障がちなのが不安。バックアップの髙田は、守備は堅実だが打力に難。力をつけてきているのが４年目の三森。昨冬にはプエルトリコのウィンターリーグに参戦して、実戦経験を積んできた。守備範囲も広く、俊足でパンチ力もあるだけに、打撃の確実性を上げて一軍定着を目指したい。