プロ野球

【日本ハム野手陣の最終序列は?】外野3ポジションはいずれも不動のレギュラーが君臨。遊撃争いは石井が一歩リードか

出野哲也

2020.03.20

オープン戦では中田が絶好調。今季も不動の一塁レギュラーだ。写真:金子拓弥

 猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で開幕は延期になったが、いずれの球団も来るべき時に備えて準備を進めている。果たして、日本ハムの野手陣はどのような陣容で開幕を迎えるのか。一軍で出場機会を得られそうな選手を対象に、キャンプやオープン戦で見えてきた現時点での序列を整理する。

<記号の見方>
◎=不動のレギュラー、〇=有力レギュラー候補、△=バックアップ、★=将来のレギュラー、×=故障離脱中/開幕二軍濃厚

【捕手】
〇清水優心
△宇佐見真吾
△石川亮
△鶴岡慎也

 正捕手筆頭候補は清水。持ち前の打力は年々進化していて、守備でも昨年は強肩を発揮していた。3月上旬にヒジの不調を訴え再調整となったが、大きな問題にはならないだろう。ただし日本ハムには不動の正捕手は存在せず、先発投手との相性で出場機会が決まる。というわけで、開幕マスクを被るのはおそらく有原の専属捕手となった宇佐見。元専属の石川も復権を狙う。マルティネスの先発時はコーチ兼任の鶴岡の出番もありそうだ。

【一塁】
◎中田翔
△清宮幸太郎

 オープン戦の中田は絶好調。これまでは絶好球が来ても、力み返って打ち損なうというシーンが多々見られたが、今季はそうしたケースがほとんどなく、右方向への長打も目立っている。シーズン中もこのような打撃を継続できるなら、四番の座も死守できるだろう。守備面で与える安心感も見逃せない。将来的には清宮に守ってほしいポジションではあるが、中途半端な起用になるくらいなら、じっくり二軍で数字を残してからのほうが良い。

【二塁】
◎渡邉諒
△杉谷拳士
△谷内亮太

 昨年1年間を通じてレギュラーを守り続けたことで、渡邉は完全に自信をつけた。具体的な数字としては、最低でも打率.270、15本塁打、出塁率.345くらいは期待したい。6~7番あたりでこれだけの成績を残せるなら、守備では最低限投手の足を引っ張らない程度でもOKだろう。杉谷は二塁だけでなく外野の控えも兼任し、右の代打としても使われる。オープン戦で当たっている谷内は、内野のユーティリティーとして重宝されそうだ。
【三塁】
〇ビヤヌエバ【NEW】
〇横尾俊建

 本来はビヤヌエバに◎をつけたかったところだが、練習試合やオープン戦を見る限り「変化球が打てない→それを警戒して速球に差し込まれる」パターンに陥っている印象。外国人枠を争う王が調子を落とさないようだと、二軍スタートもあり得る。一方、絶好調の横尾も毎年「オープン戦好調→開幕後に失速」を繰り返している。守備でもミスが多く、昨年に続いて不安なポジションとなっている。

【遊撃】
〇石井一成
○平沼翔太
△谷内亮太
×中島卓也

 中島、平沼がキャンプ中に怪我を負ってしまい、石井が一歩リードの状況。守備ではいささか安定感を欠くが、打撃は進歩の跡が見られ、レギュラー獲得の最大のチャンスは絶対に逃せまい。打撃センスのいい平沼はすでに実戦復帰。開幕が延期になったことも手伝って、出遅れを取り返す時間は充分残っている。このままでは守備要員になってしまいそうな中島も奮起したい。谷内も、他の3人とは異なる右打ちの利点を生かして出場機会を窺う。