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プロ野球

佐々木朗希は”マリンの風”をどう感じたのか?黄金ルーキーが語った「25球」の感触

岩国誠

2020.03.24

佐々木朗は「打者相手に投げることができて、すごく楽しかった」と順調な調整ぶりをうかがわせた。写真:岩国誠

佐々木朗は「打者相手に投げることができて、すごく楽しかった」と順調な調整ぶりをうかがわせた。写真:岩国誠

 ロッテのドラフト1位ルーキー・佐々木朗希投手が24日、本拠地ZOZOマリンスタジアムでプロ初となるフリー打撃に登板。最大10mの強風が吹く中、同期の福田光輝内野手、茶谷健太内野手を相手に全球ストレートで25球を投げた。福田光に左翼席への柵越え1本を許したものの、最速157キロを計測するなど、順調な調整ぶりをうかがわせた。

 午前9時35分。準備を終えた背番号17が不意にマウンドへ向かう。スタンドに陣取るカメラマンたちから、一斉にシャッター音が浴びせられた。

 周囲の注目を気にするそぶりもなく、この日の”主役”はマウンドの感触を確かめるように1球1球ゆっくりと投球練習を開始する。同期の育成・植田将太捕手の構えるミットへ吸い込まれたボールの最速は、早くも158キロを計測していた。

「(プロ入り後)打者に投げることが初めてだったので、特に細かいテーマを持たずに、しっかりストライクを投げられるように」

 打者に打たせることが主目的ではなく、自身の投球練習であることに重点を置いての打撃投手は直球のみで5分間。限定的な本拠地マウンドデビューとなった。

 最初の打者、福田光への初球にいきなり、この日最速の157キロを記録。初球を皮切りに3度157キロを記録したほか150キロ台を連発した。対戦した福田光も「角度もありますし、回転も綺麗で速い。高めのボールは球が小さく見えました」と、驚きの声をあげるなど、さすがの投球であっという間の5分間が終わった。

「ボールは多かったですが、ストライクゾーンには投げられましたし、風などこの球場の特徴を感じながら投げることができました。打者相手に投げることができて、すごく楽しかったです。ただ、球威にばらつきがありました。そこを修正して、安定していい球が投げられるようにしていきたい」
 
 この日は、一塁側からレフト方向に最大10mの強風が吹いていた。シーズン中にも選手の帽子が飛ばされるほどのZOZOマリン特有の強風が吹く中、足を高く上げる特徴的なフォームの佐々木朗の投球に影響はなかったのか。

「(風に)体が押されることはなくはないですが、そんなに大きな影響はないと思います。(直球が)普通に浮き上がったりするところで風の影響は感じました。まだこれから。日によって風とかも違うと思うので、その特徴を掴みながら、それを有効に使っていけたらと思っています」

 初体験となった”マリンの風”を文字どおりの追い風に変えられるか。黄金ルーキーにとって、大きなテーマの一つとなるだろう。

 今回の全25球で、ヒット性の当たりは5本。そのいずれも同期の福田光が放ったもの。そのうちの1本が3打席目となった22球目、左翼スタンドまで運ばれた”本塁打”だった。

「いい気持ちではなかったですが、バッティングピッチャーだったので。これから変化球だったり、配球だったりが違うとまた変わってくると思いますが、速いまっすぐだけでは打たれてしまうので、そういった工夫もしていきたい」

 すでにブルペンでは一部解禁している変化球をこの日は封印。ストレートのみでの投球となったが、佐々木朗のコンディションに問題がなければ、27日に打撃投手として再登板する予定だ。8分間に伸ばして変化球も解禁するとしており、今回を経験を踏まえて、どういう姿を見せるか楽しみだ。

取材・文●岩国誠(フリーライター)

【著者プロフィール】
いわくに・まこと/1973年生まれ。プロ野球のニュース番組制作に携わるTV映像ディレクター。一時は球団公式SNS用動画制作やパ・リーグTVでの制作・配信を担当。その縁からフリーライターとして、webメディアでのプロ野球記事の執筆を始める。また、舞台俳優としての経験を生かして、野球イベントなどの運営や進行役など、幅広い活動を行っている。

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