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【MLB今日は何の日】「偶然だぞ」…福留孝介のデビュー戦で話題をさらった“謎”のボード

2020.04.01

鮮烈なデビューを飾った福留を待っていたのは謎のボードの洗礼だった。(C)Getty Images

鮮烈なデビューを飾った福留を待っていたのは謎のボードの洗礼だった。(C)Getty Images

 2008年3月31日(現地時間)、シカゴ・カブスの福留孝介がミルウォーキー・ブルワーズとの開幕戦でメジャーデビューを果たした。初打席の二塁打を皮切りに3打数3安打、0対3で迎えた9回には同点3ランを放つ鮮烈な初陣を飾り、開幕戦を迎える時期になると毎年、地元TV局や地元紙から「忘れられない開幕戦」の一つとして取り上げられているほどである。

 しかしその活躍以上に、日本のファンには別の意味でインパクトを与えたシーンがあった。

 開幕戦ということもあり、本拠地リグリー・フィールドにはあふれんばかりのカブスファンが詰めかけた。その中で、福留が打席に向かうたびに、「偶然だぞ」と“謎”の日本語で書かれたボードを掲げているファンが複数いた。
 
 福留がヒットを打つ→ファンが「偶然だぞ」のボードを掲げる→2本目のヒットを打つ→またも「偶然だぞ」が……。福留の活躍は“たまたま運が良かった”ということなのか。9回、同点3ランを打った時に「偶然だぞ」のボードが飛び交う様子は異様でもあった。

 もちろん、ファンが意味していたところは全然違う。元の英語は「It's Gonna Happen」で、前年の後半戦にカブスが快進撃を見せたことからファンの間で広まったスローガン。「It」が指すのは「カブスの1908年以来のワールドシリーズ制覇」、全体としては「今年こそ優勝が現実になるぞ!」というニュアンスだ。これを自動翻訳した結果が、「偶然だぞ」になったわけだ。

 果たしてカブスが悲願の世界一を成し遂げるのは、この年から8年後の2016年。福留はデビュー戦の大活躍を前半戦までは継続し、見事オールスターに選ばれたが、以降は失速。2年目、3年目も決して悪い成績ではなかったとはいえ、入団時の期待に見合う成績を残したとは言えなかった。

 結果的にあのボードは、福留のその後の未来を予知していたのかもしれない。

構成●SLUGGER編集部
 
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