2018年４月３日（現地時間。日本時間では４日）。この日エンジェル・スタジアム・オブ・アナハイムで行われた対クリーブランド・インディアンス戦に８番・指名打者で先発出場した大谷翔平は、１回裏にジョシュ・トムリンからメジャー初本塁打を記録した。２ボール２ストライクからの６球目、トムリンがインローに投じた74マイルのカーブを強振。打球は美しいアーチを描き、右中間スタンドに飛び込んだ。

　待望の一発を放ち、ベースを一周してベンチに戻ってきた大谷はチームメイトとハイタッチしようとするが、エンジェルスナインは何事もなかったかのように"ガン無視"。初本塁打を放った選手にわざとよそよそしい態度をとる、メジャー名物「サイレント・トリートメント」の洗礼だった。

　しかし大谷は、「かまってよー」とばかりにベテラン二塁手のイアン・キンズラーに抱き着いて"対抗"。それを合図にしたかのようにチームメイトが一斉に駆け寄り、大谷を祝福した。
  　４月１日のメジャー初登板初勝利と併せて、３日間で「勝利投手&野手として出場した試合の初回にホームラン」を達成したのは、1921年のベーブ・ルース以来の快挙だった。

　大谷はこの日３安打３打点と爆発しただけでなく、翌日の同カードでも前年のサイ・ヤング賞投手コリー・クルーバーから早くも２号。６日のアスレティックス戦でもホームランを放ち、３試合連続本塁打を記録した。オープン戦では打率.125とまったく打てず、「高校生レベルの打者」などと大谷を酷評していた米メディアも、この活躍には「とんでもなくク－ル」と手のひらを返して大絶賛。

　また８日にはふたたびマウンドに立ち、今度はアスレティックス打線を７回１死までパーフェクトに抑える快投と活躍を続け、"二刀流"のすごさをアメリカのファンに強く印象付けた。

構成●スラッガー編集部

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