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MLB

3年前のワールドチャンピオンリングが早くもオークションに出品。やっぱり原因はあの事件?

宇根夏樹

2020.04.18

17年、球団創設45年目にして悲願のワールドチャンピオンを達成したアストロズだが、のちにスキャンダルが発覚した。(C)Getty Images

17年、球団創設45年目にして悲願のワールドチャンピオンを達成したアストロズだが、のちにスキャンダルが発覚した。(C)Getty Images

 ヒューストン・アストロズが球団初のワールドシリーズ優勝を遂げたのは2017年の秋だ。そこから、まだ3年も経っていない。にもかかわらず、選手やスタッフに贈られたワールドチャンピオン・リングが、早くもオークションに出品されている。

 オークションサイトの『ゴールディン・オークションズ』のホームページ(https://goldinauctions.com/)へ行くと、その詳細を見ることができる。リングを入れる箱に加え、鑑定書もセットになっている。これは、アストロズの元スカウト、デビッド・ブリトーの優勝リングだ。彼自身が出品したのかどうかは定かではないが、リングの側面には「BRITO」と刻んであり、鑑定書にはフルネームが記されている。ちなみに、17年の夏にアストロズからトロント・ブルージェイズへ放出された青木宣親(現ヤクルト)も、同じデザインのリングをもらっている。

 優勝リングのオークション出品は、そう珍しいことではない。このサイトにも、1989年のオークランド・アスレティックスと2000年のニューヨーク・ヤンキースの優勝リングが出ている。前者は3AのGMだったスタン・ナッカラート、後者はリリーフ投手のジェフ・ネルソンに贈られたものだ。
 
 ただ、これほど新しい優勝リングの出品は異例。やはり例のスキャンダルが影響しているのかもしれない。17年から18年の途中まで、アストロズは相手バッテリーのサインを盗んでいた。今年1月、アストロズは20年と21年のドラフト1・2巡目の指名権を剥奪され、罰金500万ドルとともに、ジェフ・ルーノーGMとAJ・ヒンチ監督は停職1年の処分を科された(直後に球団から解雇された)。いわくつきのワールドチャンピオンというわけだ。

 いわくつきと言えば、1919年のワールドシリーズもそうだった。八百長を働いたとして、シカゴ・ホワイトソックスの8選手が永久追放となった悪名高い“ブラックソックス・スキャンダル”が起きたシリーズだ。当時の記念品は懐中時計が一般的だったが、優勝したシンシナティ・レッズのパット・モラーン監督は指輪をもらった。今から7年前、この優勝リングがオークションにかけられ、16万6102ドルで落札された。

 ブリトーの優勝リングには、4月17日の時点で4件の入札がある。6000ドルからスタートした金額は、現在7500ドル。オークションの終了は5月16日だ。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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