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球界関係者もファンも落胆…最速163キロのカッターを誇るブレイク候補が禁止薬物使用で80試合の出場停止

2020.05.03

昨年レンジャーズでデビューしたクラッセ。移籍したインディアンスで本格開花が期待されていたが…。(C)Getty Images

 現地5月1日、残念なニュースが飛び込んできた。クリーブランド・インディアンスの救援右腕エマニュエル・クラッセが禁止薬物使用で80試合の出場亭処分を受けたのだ。

 このクラッセ、実は球界関係者やコアなファンの間では今季のブレイク候補に挙げられていた期待株だった。

 ドミニカ共和国出身で現在22歳のクラッセは、昨年8月にテキサス・レンジャーズでメジャーデビュー。オフのトレードでインディアンスに加入していた。交換相手は何と2度のサイ・ヤング賞受賞を誇るコリー・クルーバー。その事実からも、クラッセが大きな期待を受けていたことが分かる(厳密にはクラッセ以外にもう一人の選手がインディアンスに移っているのだが、そちらは限りなく「おまけ」に近い)。
 
 実際に投球映像を見ると、インディアンスが期待を寄せるのも理解できる。特にすごいのがカット・ファストボールで、平均で99マイル(約159.3キロ)、最速で何と101.4マイル(163.2キロ)を叩き出している。しかも打者の手元で鋭く曲がり落ちるとあって、打者にとっては厄介そのもの。球界屈指のウィニングショットになる可能性を大いに感じさせた。

 ちなみに、クラッセの体内から検出された禁止薬物はボルデノン。筋肉増強剤の一つで、競走馬などにも使用されることがある。本人からのコメントはまだ出ていないが、弁解の余地はなさそうだ。

 新型コロナウイルスの拡大で開幕が遅れている状況で80試合の出場停止を受けたことで、今シーズンの登板はかなり難しくなってしまった。クラッセにはしっかり反省してもらった上で、クスリの力に頼らずとも剛速球で投げられることを証明してほしいところだ。

構成●スラッガー編集部

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