5月1日、NHK-BS1の「あの試合をもう一度! スポーツ名勝負」で、2006年10月7日のCS第1ステージ、西武対ソフトバンク戦が再放送された。このゲームを最後に翌年からメジャーへ移籍した松坂大輔と、この年は投手5冠で沢村賞に輝いた斉藤和巳が息詰まる投手戦を展開した伝説の名勝負だ。試合は7回に5番・和田一浩のタイムリーで取った1点を守り抜いた松坂に軍配が上がったが、負けず劣らずの好投を見せた斉藤が敗戦直後にベンチを蹴り上げて悔しがる様子も印象深い。
この番組は当の斉藤も見ていたようで、放映が終わった後に「誰か~!どこか~!いつか~!勝ち投手になった試合も流してください(苦笑)」とツイートしていた。
本人の言う通り、斉藤は"悲運のエース"という印象が強い。このシリーズで西武を下したソフトバンクは第2ステージで日本ハムと対戦する。第2戦に先発した斉藤は、0対0のまま迎えた9回裏に稲葉篤紀からサヨナラタイムリーを打たれ、またも敗戦投手に。日本シリーズ進出を祝う日本ハムナイン以上に、マウンド上で崩れ落ち、チームメイトに両脇を抱えられながらマウンドを降りる斉藤の姿が印象に残ったファンも多いはずだ。
一方で斉藤は、日本プロ野球史上でも屈指の"負けないエース"だった。この年を含めて3度も最高勝率のタイトルを獲得。そのうち2度は最優秀防御率との同時受賞で、単なる勝ち運ではなく内容が伴っての戴冠だった。2000投球回以上が規定のためランキングには入っていないが、通算勝率.775は歴代1位の藤本英雄(.697)をも大きく上回る。惜しくも敗れた2試合にしても、斉藤は"負けないエース"にふさわしいだけの好投を見せていた。だからこそ、今も語り継がれる名勝負となっているのだ。
当時チームメイトだった大道典良は、「和巳が投げるというだけで、チームには安心感があった」と全幅の信頼を置いていた。右肩の故障によって08年以降は登板がないまま13年限りで引退したが、数々のタイトルを獲得した"負けないエース"が球史に残した輝きはあまりにも鮮烈だった。
構成●スラッガー編集部
【ソフトバンクキャンプPHOTO】目指すは4年連続日本一!2020年のスローガンは「S15(サァイコー!)」
この番組は当の斉藤も見ていたようで、放映が終わった後に「誰か~!どこか~!いつか~!勝ち投手になった試合も流してください(苦笑)」とツイートしていた。
本人の言う通り、斉藤は"悲運のエース"という印象が強い。このシリーズで西武を下したソフトバンクは第2ステージで日本ハムと対戦する。第2戦に先発した斉藤は、0対0のまま迎えた9回裏に稲葉篤紀からサヨナラタイムリーを打たれ、またも敗戦投手に。日本シリーズ進出を祝う日本ハムナイン以上に、マウンド上で崩れ落ち、チームメイトに両脇を抱えられながらマウンドを降りる斉藤の姿が印象に残ったファンも多いはずだ。
一方で斉藤は、日本プロ野球史上でも屈指の"負けないエース"だった。この年を含めて3度も最高勝率のタイトルを獲得。そのうち2度は最優秀防御率との同時受賞で、単なる勝ち運ではなく内容が伴っての戴冠だった。2000投球回以上が規定のためランキングには入っていないが、通算勝率.775は歴代1位の藤本英雄(.697)をも大きく上回る。惜しくも敗れた2試合にしても、斉藤は"負けないエース"にふさわしいだけの好投を見せていた。だからこそ、今も語り継がれる名勝負となっているのだ。
当時チームメイトだった大道典良は、「和巳が投げるというだけで、チームには安心感があった」と全幅の信頼を置いていた。右肩の故障によって08年以降は登板がないまま13年限りで引退したが、数々のタイトルを獲得した"負けないエース"が球史に残した輝きはあまりにも鮮烈だった。
構成●スラッガー編集部
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