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プロ野球

【2010年代通信簿:広島】伝統の育成力で低迷から抜け出し、球団史上初のリーグ3連覇を達成

城ノ井道人

2020.06.05

16年に25年ぶりのリーグ優勝を達成すると、続く2年も優勝。ただ、1984年以来の日本一はまだ成し遂げていない。写真:朝日新聞社

16年に25年ぶりのリーグ優勝を達成すると、続く2年も優勝。ただ、1984年以来の日本一はまだ成し遂げていない。写真:朝日新聞社

 2020年、新たな年代が幕を開ける。ここで改めて、各チームの過去10年間の戦績を通信簿形式で評価してみたい(通信簿は「よくできました」「まずまずです」「可もなし不可もなし」「がんばりましょう」の4段階)。今回は長く続いた低迷期を脱した広島の歩みを振り返ってみよう。

■2010年代通算成績
720勝674敗41分(勝率.516)/リーグ2位(12球団5位)
日本一:0回 リーグ優勝3回 CS進出:5回

通信簿:よくできました

 カープの2010年代は、1998年から12年連続Bクラスという暗黒時代の真っ只中で幕を開けた。この年、メジャー流の自主性重視の指導を行ってきたマーティ・ブラウン監督から、カープ一筋17年で球団伝統の猛練習を知る野村謙二郎監督にに交代。4年目の前田健太が史上最年少で投手三冠に輝き沢村賞を獲得したが、球団史上ワースト2の84敗を喫した。
 
 続く2年間も低迷したが、浮上への礎は徐々に整いつつあった。11年に丸佳浩がレギュラーを獲得すると、12年はドラフト1位ルーキーの野村祐輔が新人46年ぶりの防御率1点台の活躍で新人王を獲得。後半戦には同じく新人の菊池涼介も正二塁手に定着した。

 そして迎えた13年、前田、ブライアン・バリントン、野村、大竹の10勝カルテットを擁する強力先発陣の活躍でついに16年ぶりのAクラス入り、球団史上初のCS進出を果たした。この年限りで「天才打者」として人気と尊敬を集めた前田智徳がバットを置いた。なお、この年に球団高卒新人野手では14年ぶりの一軍出場を果たし、前田の引退試合に背番号51を背負って1番・右翼で先発出場したのが鈴木誠也だった。

 14年は再び3位でCSに進むもファーストステージで敗退。シーズン後、野村監督から緒方孝市監督にバトンが渡る。メジャーから黒田博樹、阪神から新井貴浩と低迷期を支えた投打の顔が復帰した15年はまさかの4位に沈んだが、16年ついに大輪の花を咲かせる。
 

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