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プロ野球

【12球団“縁の下の力持ち”:楽天】ソフトバンクも戦々恐々!? 山下斐紹 はバットで、守備で、チームを支える懐刀

eagleshibakawa

2020.06.10

豪快なスウィングはもちろん、守備の多様性でも山下はチームに貢献する。写真:朝日新聞社

豪快なスウィングはもちろん、守備の多様性でも山下はチームに貢献する。写真:朝日新聞社

 チームを支えるのは、何もスター選手だけではない。絶対的なレギュラーでなくとも、率先してベンチを盛り上げたり、どんな役割もこなす選手もまた、必要不可欠な存在だ。19日に開幕するプロ野球。異例のシーズンだからこそ、より輝きを増しそうな「縁の下の力持ち」を紹介しよう。

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 3ヵ月遅れの開幕を控えて、三木肇監督が指揮をとる楽天は「複数ポジション制」を模索している。ロッテから加入した球界きってのユーティリティ・鈴木大地はむろんのこと、開幕前の実戦で山崎幹史、内田靖人が外野守備に就く姿をひんぱんに目撃できるのだ。先日は、二塁でゴールデン・グラブ賞を3度受賞している藤田一也が一軍公式戦で記録のない一塁に挑戦した。

 1人が複数の役をカバーできれば、采配の幅はおのずと広がる。コロナ禍で前例なき過密日程をチーム一丸で乗り越えるためにも、有効なオプションだろう。

 山下斐紹も三木監督が抱える黒子役の一人だ。2018年オフに福岡から仙台へ加入した左打の捕手は、本職のキャッチャーに加えて一塁守備に就く場面も増えてきた。昨年はレフトも守り、12球団最年少指揮官を助ける貴重なバイプレーヤーになるはずだ。

 バットでも新監督を助ける存在だ。たくましい体つき、精悍な風貌にふさわしく、その打撃は胆が座り、恐れを知らない。まるで大柄の両手剣で敵をなぎ倒すソルジャーのように、三振や空振りをいとわず、荒々しいスウィングで積極的に打っていく。

 昨年5月3日の古巣ヤフオクドームでの一戦。両軍の関係者を一様に驚かせた「2打席連続ホームラン」は、忘れることのできない活躍になった。
 
 1本目は甲斐野央の剛速球を一振りで攻略。話題の新人が更新中だった連続無失点の新記録を止めると、2本目は「山下! 山下! もう1本!」の声援に応え、左キラーの嘉弥真新也から。振り返ればこの時、マスクをかぶっていたのは甲斐拓也だった。そう、両者は2010年ドラフト組の同期生だ。山下はドラフト1位、甲斐は育成6位。その後、甲斐が日本屈指の捕手へと歩みを進めたのに対し、山下も悔しい思いをしただろうが、それを払拭するかのような活躍だった。

 石井一久GMのもと昨オフは積極的な補強に動き、満を持して優勝を取りにいく陣容が整った。パ・リーグの勢力図を塗り替えるためにも、7年連続で勝ち越すことができずにいるソフトバンク戦がカギを握るのは間違いない。

 接戦や要所で山下がネクストバッターズ・サークルに姿を現すだけで、楽天サイドが盛り上がること間違いなし。若鷹軍団は1試合2発の打棒爆発が脳裏をよぎることだろう。山下のバットには、古巣へ、そしてライバルの甲斐への想いが込められるはずだ。

 6月5日までの対外戦は24打数11安打と好調な出だしを切った。打ってよし。複数守ってよし。ベリーグッドマンの「Hello」を登場曲にする27歳を、ぜひ開幕メンバーに加えてほしい。

文●eagleshibakawa

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