いよいよ2020年のプロ野球が幕を開ける。昨年、不振や故障で本来の力を発揮できなかった選手たちは、なおさら強い気持ちを持って３ヵ月遅れの開幕に臨むはずだ。リベンジに燃える男たちを７人紹介しよう。

■菅野智之（巨人）
「何もしていない」。昨年のリーグ優勝会見では、悔しさとエースの矜持をにじませた。シーズン中は腰痛で離脱を繰り返し、プロ入り初の規定投球回未到達。４連敗を喫した日本シリーズでは、第４戦の敗戦投手になる屈辱も味わった。今年は試行錯誤の末に腕を引いて始動する新フォームを完成させて、カーブの変化量が増すなど手応えを感じている様子。鮮やかな復活で自身初の日本一を手繰り寄せたい。

■梶谷隆幸（DeNA）
　17年に20本塁打＆20盗塁をマークしたが、18年は右肩を手術するなど故障続き、19年は若手に出番を奪われて長い二軍暮らしを味わった。それでも、８月下旬に一軍に復帰すると通算100本塁打を満塁弾で飾るなど意地を見せた。今年は練習試合で結果を残して開幕戦の「１番・センター」起用を射止めた。激戦の外野争いは予断を許さないが、持ち前のダイナミックなプレーが蘇れば、チームにも好影響を与えるはずだ。
  ■田中広輔（広島）
　開幕直後から極度の打撃不振に陥った昨季は、夏場を迎えても打率２割前後を行ったり来たり。15年から続けたフルイニング出場と連続試合出場もストップして、８月に右ヒザ手術でシーズンを終えるなど失意に暮れた。進境著しい若手の小園海斗との遊撃争いにはひとまず勝利。さらにもう一つの定位置であるリードオフの座も取り戻して、16年からのリーグ３連覇の原動力となった強力打線の火付け役を担いたい。

■スアレス（阪神）
　昨オフにソフトバンクを戦力外となった右腕が思わぬ拾い物になるかもしれない。練習試合では最速158キロを計時し、多彩な変化球も駆使して相手打者をねじ伏せ続けた。26ホールド、防御率3.19の好成績を残した16年は161キロを叩き出したこともあったが、翌17年にトミー・ジョン手術を受けてからは苦しいシーズンが続く。彼がセットアッパーとして８回に定着すれば、試合終盤のリレーは今季もチームの強みとなる。