■北條史也（阪神）
　練習試合で好調をアピールし、開幕スタメンが見えてきた。近年はシーズンの半分ほどしか一軍で稼働できなかったが、今年はオフに取り組んだ持ち前のパンチ力と確実性を両立する打撃が実を結んでいる。犠打やエンドランなどの小技もこなし、どの打順にも柔軟に対応できる右打者が常時出場すれば、打線全体のバランスも良くなる。同学年の木浪聖也と繰り広げる遊撃の定位置争いは、矢野燿大監督にとってうれしい悲鳴になりそうだ。

■坂口智隆（ヤクルト）
　昨季は死球で左親指を骨折するなど、相次ぐ怪我に見舞われて出場わずか22試合で打率.125と大いに苦しんだ。今季は３年契約の２年目ではあるが、世代交代が求められるチーム状況で安泰な立場ではない。バットコントロールには定評があり、体調が万全なら３割前後の打率は約束されたも同然。練習試合では一塁と外野をこなしつつ溌溂とした動きを見せている。自らオリックスを自由契約になって加わったヤクルトで上昇気流を描いたように、再び崖っぷちから再起を図る。
  ■アルモンテ（中日）
　18年にリーグ５位の打率.321を記録したが、昨季は外国人枠の関係もあり２ヵ月以上の二軍調整を経験し、右太腿裏の故障で８月半ばにシーズン終了と悔しい思いを味わった（それでも打率.329と１年目を上回るハイアベレージを残したあたりはさすがだが）。今季も出遅れる予定だったが開幕が延びたことが幸いし、５月下旬に一軍合流。６月の練習試合では特大アーチを放つなど好調を維持している。昨季の“倍返し”くらいの勢いで大暴れを期待したい。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら／1984年生まれ。『スラッガー』編集部に2014年から３年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。

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