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プロ野球

【中日の2020年を左右する3つのポイント】得点力が向上し、若手投手が開花すればAクラスも見えてくるが…

SLUGGER編集部

2020.06.15

昨季はリーグ8位の打率.293とブレイクし、クリーンアップも打った高橋だが、本塁打は7本。彼に長打力が備われば打線の破壊力も増すだろう。写真:滝川敏之

昨季はリーグ8位の打率.293とブレイクし、クリーンアップも打った高橋だが、本塁打は7本。彼に長打力が備われば打線の破壊力も増すだろう。写真:滝川敏之

 どんなチームも未知数の要素を抱えてシーズンを迎えるもの。2020年の中日の浮沈を左右するであろう3つの要素を分析してみよう。

●1 本塁打数リーグ最低の長打力を改善できるか
 昨年はリーグ1位の打率.263を記録しながら得点数は5位。最大の要因は長打力不足で、極端に投手有利のナゴヤドームを本拠にしていることもあるが、90本塁打は1位巨人の半分以下だった。今季もほぼ同じメンバーで臨むため、全体の長打力底上げが得点力向上の絶対条件になる。昨季半ば頃から村上隆行コーチの「強い打球を打つ」指導が形になりつつあり、新たに巡回打撃コーチに就任したアロンゾ・パウエル打撃コーチの手腕にも注目が集まる。昨季はわずか7本塁打に終わった高橋周平あたりが覚醒すれば、打線はかなり強力になる。捕手の攻撃力強化も大きな課題で、新人の郡司裕也、木下拓哉の台頭に期待したい。

●2 梅津、山本ら若手投手がブレイクできるか
 今のドラゴンズには魅力的な若手投手が数多くいる。18年の開幕投手を務めた小笠原慎之介や梅津晃大、山本拓実、ブルペンでは藤嶋健人。ルーキーの岡野祐一郎、橋本有樹も即戦力として期待されている。彼らが揃って躍動すれば、一気にAクラス入りが見えてくる。しかし裏を返せば、誰一人として活躍が約束されているわけではない。一軍の壁に跳ね返されたり、シーズンを通しての活躍ができない可能性も十分ある。「どちらに転ぶか分からない」という点では、最大の焦点と言っていいかもしれない。
 
●3 接戦での弱さを克服できるか
 実は、昨年の得失点差は+19でリーグ2位。CSに出場したDeNAや阪神をも上回っていた。にもかかわらず、借金5の5位に終わった最大の理由は接戦での弱さ。1点差試合は19勝27敗、延長戦で2勝7敗と大きく負け越してしまった。要因はいくつかあるが、勝ち試合を締めくくる「勝利の方程式」をなかなか確立できなかったことが大きい。今季も、最優秀中継ぎ賞を受賞したロドリゲスが抜け、抑えを務める予定の岡田俊哉の状態もいまひとつと、不安は解消できていない。藤嶋やライデル・マルティネスが年間を通してフル回転してくれないと、昨季の二の舞になってしまうかもしれない。

構成●SLUGGER編集部

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