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プロ野球

史上初の同一カード6連敗に山岡泰輔の負傷離脱…オリックスはこの苦境をローテ再編で打開できるか

どら増田

2020.06.29

山岡は左内腹斜筋の筋損傷と診断され戦線離脱となった。写真:産経新聞社

山岡は左内腹斜筋の筋損傷と診断され戦線離脱となった。写真:産経新聞社

 6月23日からZOZOマリンスタジアムに乗り込み、ロッテと6連戦を行ったオリックスが、まさかの同一カード6連敗を喫した。

 開幕とともに話題になった超攻撃型打線は25日から組み替えられ、開幕ローテーション入りを果たしたK-鈴木とルーキーの村西良太は僅か1試合でファームに降格。さらに、26日の試合では、ダブルエースの筆頭である山岡泰輔が初回に3球目を投じた際、左脇腹に違和感を感じて降板。左内腹斜筋の筋損傷と診断され戦線離脱となった。

 開幕9試合で、開幕ローテーション入りを果たした6人のピッチャーのうち、半分の3選手が登録抹消されるという緊急事態が早くも発生してしている。

 もっとも、オリックスの投手陣が、開幕直前まで不安を抱えていたのは事実だ。計算が出来るピッチャーは、山岡と山本由伸のダブルエースしかいない状況で、田嶋大樹が開幕後に好投を続けているのは好材料だが、中継ぎ陣で安定していたのは、比嘉幹貴、海田智行、山田修義の3選手と、ファームスタートとなったヒギンス、山崎福也、鈴木優といった面々だった。
 
 最も誤算だったのは、クローザーのディクソン、そしてその座を狙っていた増井浩俊の2選手がともに制球が定まらなかったことだろう。

 ディクソンはナックルカーブ、増井はフォークが生命線となっているが、ともにこの決め球のストライク・ボールがハッキリとしており、不利なカウントになってから四球になったり、ヒットを打たれるという悪い結果を生んでいる。

 思い出されるのは、数年前の秋季キャンプでのことだ。当時の福良淳一監督(現GM)に、ディクソンのクローザーとしての適性を尋ねたことがあった。その際の福良氏のコメントが頭に残っている。

「ナックルカーブが明らかなボールになっている間は後ろでは使えない」

 30日からは鬼門のメットライフドームで、西武との6連戦が待っている。

 今シーズン、まだ1勝しかあげられていないオリックスにとって、引き続き厳しい戦いが予想されるが、早くもローテーションの再編を余儀なくされてしまった。村西と入れ替わり一軍に昇格した鈴木優は、26日に山岡が降板後に緊急登板。3回を2失点も次に繋がるピッチングを披露した。24日にリリーフで好投を見せた荒西祐大とともに、ベンチ入りメンバーから外れて、先発に向けた調整を行っている。そして、ディクソンも28日のベンチ入りメンバーから外れたことから、先発復帰が予想される。ここにロングリリーフとして、山崎福也が待機すれば投手陣に厚みが増すだろう。

 新たなローテーション予想を次の通り立ててみた。

6月30日 アルバース
7月1日 鈴木優
7月2日 荒西祐大
7月3日 ディクソン
7月4日 田嶋大樹
7月5日 山本由伸

 週末に先発した田嶋と山本由伸は100球前後を投げていることから、中6日は維持される見通し。山崎福はファームでは先発として好投を続けているだけに、先発で起用される可能性もあるが、かつて先発三本柱の一角だったディクソンを本来のポジションに戻すことで、持ち味を取り戻させたい。

 同一カード6連戦は、山岡が離脱しなかったとしても、後半にダブルエースを配置したことにより、前半で勝ち越せるかが大きなポイントになっている。来週は最高の形で、勝利のバトンを“エース”山本由伸に繋ぐことができるか。

取材・文●どら増田

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