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プロ野球

開幕2連勝でも“エースじゃない”髙橋光成、素質は抜群だが“勝てない”今井達也。西武の未来を担う二人に科せられた課題とは

氏原英明

2020.07.07

西武の未来を託された今井(左)と髙橋光(左)。開幕から好対照な結果が続くが、それぞれに科せられた大きな課題がある。写真:田口有史(今井)、産経新聞社(髙橋光)

西武の未来を託された今井(左)と髙橋光(左)。開幕から好対照な結果が続くが、それぞれに科せられた大きな課題がある。写真:田口有史(今井)、産経新聞社(髙橋光)

 開幕から2試合の登板を終えて、片や2勝、一方は2敗。未来のライオンズを担う二人のエース候補の明暗が分かれている。
 
 一歩リードしたかに見えるのは、髙橋光成だ。強力打線に支えられての2勝ではあるものの、先制点を許してないということが、この2試合の結果に現れていると言っていい。1戦目の登板となった23日のソフトバンク戦は5.1回を4安打3失点、30日のオリックス戦は6.0回6安打2失点でQSを記録していずれも白星がついた。

 とはいえ、2連勝した後の髙橋光のコメントは喜びとは違うものだった。

「前回と同じことの繰り返し。中継ぎの方にも負担をかけてしまったので納得がいっていないです」

 長いイニングを投げられなかったことはもちろん、ともにイニング途中の降板で、ブルペンに急な準備をさせてしまったことを反省していたのだ。
 
「もうちょっと頑張ってもらいたいですね」。そんな右腕に対して、辻発彦監督のコメントも厳しいものだった。

 髙橋光は昨季、キャリア初の2桁勝利を挙げたものの、防御率4.51は100イニング以上の計39投手中ワースト4位と、内容は褒められたものではなかった。もっとも、彼がローテーション投手の一人としてカウントするだけの存在なら、辻監督もそこまでのことは言わないだろう。

 チームの中心を担ってほしいという辻監督の想いが、厳しい言葉からは感じられた。かつて涌井秀章(現・楽天)が抜け、岸孝之(現・楽天)がチームを去った後のエースを任された菊池雄星(現シアトル・マリナーズ)も、その座につくため、女房役だった炭谷銀仁朗(現・巨人)に厳しい声をかけられたものだった。

「今日の調子が良かったとか、悪かったとか、調子どうこうの問題じゃないんですよ。常に、マウンドに立って、1球1球に対して、どういう意識を持って投げているか。それがエースには求められていると思う。岸さんはそういう経験をしてエースになっていったんですから」 (炭谷)

 エースという存在は、ただ投げて勝てば良いというものではない。投球の一つ一つに、“見せて”いかなければいけないのが「エースの矜恃」というものなのだろう。
 

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