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プロ野球

「今までが『千賀A』なら、『千賀B』になる感じ」――今季初勝利を挙げた千賀滉大の“変身”

喜瀬雅則

2020.07.08

千賀は立ち上がりこそ苦しんだものの、終わってみれば5回3失点で、見事今季初登板で勝利投手となった。写真:THE DIGEST

千賀は立ち上がりこそ苦しんだものの、終わってみれば5回3失点で、見事今季初登板で勝利投手となった。写真:THE DIGEST

 7月7日の七夕の夜。千賀滉大(ソフトバンク)が一軍のマウンドに帰ってきた。もし新型コロナウイルスの感染拡大による開幕延期がなかったら、この日はソフトバンクにとって今季84試合目となる予定だった。ところが、開幕が遅れたために今季16試合目で初登板となった。2月の宮崎キャンプ中に訴えた右ふくらはぎ痛も、右前腕部の違和感も、十分にいやす時間が取れた。ファームでの調整登板も2試合をこなした。まさしく、満を持しての復帰登板だ。開幕延期で生じた3カ月間の猶予で、千賀は今季初マウンドを68試合分も“前倒し”することができたのだ。

 当初の予定では、この日はファームの阪神戦で最終調整した上で、14日のオリックス戦で一軍復帰の運びだった。これを一週間繰り上げたのは、15試合を終えた時点で4.5ゲーム差をつけられていた首位・楽天との本拠地6連戦を迎えるタイミングであったことと、さらに先発ローテ再編を図る中で、6連戦のカードの「頭」をエースで固定するメリットも踏まえてのものだった。
 
「気持ちは高ぶってきています。リハビリ組にいた選手をいきなり(一軍に)呼んでもらった。しっかり意気に感じて、自覚を持って投げたい」

 千賀の“強き思い”が、初球からほとばしっていた。楽天の1番・茂木栄五郎へ5球連続のストレート。ファウルにされた4球目は、自己最速タイとなる161キロの剛速球だ。カウント1―2からの続く5球目は、内角を突いた159キロ。茂木のバットは全く反応できなかった。

 ここまでは圧巻の幕開け。しかし、2番・鈴木大地に左前打、4番・浅村栄斗に四球を許しての2死一、二塁から、5番・島内宏明に、155キロのストレートを捉えられての中越え二塁打で、立ち上がりにいきなりの2失点。森山良二投手コーチが「ちょっと力が入り過ぎて、上下(半身)のバランスが崩れてしまっているように見える」と分析したとおり、序盤はフォークをはじめ、変化球の制球が千賀にしては今ひとつのように映った。
 

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