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MLB

【レッドソックスの「未来予想図」】18年MVPのベッツ放出で始まった再建。ブルーム新CBOの手腕に期待

SLUGGER編集部

2020.07.31

ブルームCBOはレイズ出身の頭脳派で、若手の育成手腕には定評がある。(C)Getty Images

ブルームCBOはレイズ出身の頭脳派で、若手の育成手腕には定評がある。(C)Getty Images

 ついに2020年のシーズンが幕を開けた。だが、各チームの編成トップは常に未来を見据えている。主力選手の契約状況やマイナーでの若手選手の育成状況も考慮しながら、レッドソックスの未来を展望してみよう。

「非常に困難な決断ではあったが、チームの将来を考えると必要なことだった」

 2月10日、ハイム・ブルームCBOは2018年にMVPに輝いたムーキー・ベッツ(とデビッド・プライス)のドジャースへの放出ついて説明した。15年夏に"優勝請負人"としてデーブ・ドンブロウスキを編成トップに据えてから、レッドソックスは積極補強路線を続けてきた。その結果が18年のワールドチャンピオンだったのだが、代償としてファーム組織は痩せ細り、総年俸はぜいたく税ラインを超過する状態に陥ってしまった。そこで球団は、20年限りでFAとなるベッツを放出することで問題を(部分的にでも)解決しようとしたわけだ。

 ただ、貧乏球団ならともかく、レッドソックスほどのビッグクラブが金銭的な理由でスーパースターを放出するなど、本来あってはならないこと。名門球団の矜持やファン感情を優先するなら、少なくとも今季は全力で優勝を狙い、ベッツがFAで去った後でチーム再構築を図る選択肢もあったはずだが、結果的に「合理主義的」が勝った。
 
 ベッツ放出で戦力は大きくダウンしたが、ぜいたく税をリセットし、優れた若手を2人(アレックス・バーデュゴとジーター・ダウンズ)獲得できたことは大きい。ラファエル・デバースが球界屈指の強打者へ成長し、今季メジャーデビューが濃厚な大砲ボビー・ダルベックも含め、野手に関しては今後の見通しもそれなりに明るい。

 問題は投手陣で、昨季開幕直前に5年1億4500万ドルで延長契約を交わしたクリス・セールがトミー・ジョン手術を受けて今季全休、昨季19勝を挙げたエデュアルド・ロドリゲスは21年オフでFAとなる。マイナーにもエース候補と呼べるだけの素材はいない。ここでも、レイズ時代にマイナーで好投手育成に携わったブルームCBOの手腕が期待される。

 ブルームCBOに求められるのは、同じくレイズからドジャース編成総責任者へ抜擢されたアンドリュー・フリードマンに与えられた任務と同じ。つまり、「総年俸を一定限度に抑えながら勝利と育成を両立させる」ことだ。ベッツの放出で総年俸の問題はひとまずクリア。今後はファーム組織再建に本格的に着手することになる。

文●SLUGGER編集部

※『SLUGGER』2020年5月号より加筆修正の上、転載

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