初の著書『セイバーメトリクスの落とし穴 マネー・ボールを超える野球論』(光文社新書)が大反響を呼び、ツイッターのフォロワー数が2万5000人を超える「お股ニキ」氏の連載コラムがスタート! 独自の野球観、卓越した分析力を誇る「お股ニキ」氏が、毎回、一人の選手を取り上げて徹底解剖。第1回は初の首位打者へ向けて快走中の森友哉(西武)に迫る。
9月10日時点でパ・リーグトップの打率.339と、西武が逆転優勝を果たしたならMVP受賞が確実な森友哉(西武)。彼の凄さを「お股流」にアナライズしてみたい。
打撃の天才ぶりは高校時代から折り紙付きで、大阪桐蔭高の西谷浩一監督もナンバーワンと認めるほど。甲子園でも、高校2年の頃から逆方向へのホームランを放つなど次元の違いを見せつけていた。
贔屓チームや勝敗の垣根を超えて、1年間を通じて全打席を追い続けたいと感じるレベルに到達する選手が、これまでの野球ファン歴で何人かいた。日本人打者で挙げるなら、以下の選手がそれに該当する。
1992年:古田敦也(ヤクルト)
1995年:イチロー(オリックス)
1996年:山崎武司(中日)
1999年:高橋由伸(巨人)
2010年:和田一浩(中日)
2012年:阿部慎之助(巨人)
2014年:山田哲人(ヤクルト)
2019年の森は彼らに匹敵する打撃を披露している。
彼らに共通するのが、私が重視する「打撃の奥行き」「ポイントの多さ」である。やや前寄りの完璧なポイントでボールを捉えるのは当然として、変化球で前に出されかけても腕を残してヘッドを返して長打を飛ばす打ち方、やや差し込まれかけても押し込んで逆方向に持っていく打ち方を兼ね備えていることだ。
高打率と長打の両立が可能となることで、投手からしたら攻めようがないような無敵に近い打撃スタイルとなっている。この打撃ができれば、速球中心で張りつつ、変化球で抜かれた際にも反応で長打を打つことができる。
森の対応力の幅は桁違いで、得点状況やカウント、投手に応じて足の上げ方にも変化をつけている。9月1日のソフトバンクとの天王山第3戦でも、追い込まれた状況で155kmを超えるモイネロの速球をマークしつつ、138kmのスラッターを拾ったタイムリー二塁打はその象徴だった。
9月10日時点でパ・リーグトップの打率.339と、西武が逆転優勝を果たしたならMVP受賞が確実な森友哉(西武)。彼の凄さを「お股流」にアナライズしてみたい。
打撃の天才ぶりは高校時代から折り紙付きで、大阪桐蔭高の西谷浩一監督もナンバーワンと認めるほど。甲子園でも、高校2年の頃から逆方向へのホームランを放つなど次元の違いを見せつけていた。
贔屓チームや勝敗の垣根を超えて、1年間を通じて全打席を追い続けたいと感じるレベルに到達する選手が、これまでの野球ファン歴で何人かいた。日本人打者で挙げるなら、以下の選手がそれに該当する。
1992年:古田敦也(ヤクルト)
1995年:イチロー(オリックス)
1996年:山崎武司(中日)
1999年:高橋由伸(巨人)
2010年:和田一浩(中日)
2012年:阿部慎之助(巨人)
2014年:山田哲人(ヤクルト)
2019年の森は彼らに匹敵する打撃を披露している。
彼らに共通するのが、私が重視する「打撃の奥行き」「ポイントの多さ」である。やや前寄りの完璧なポイントでボールを捉えるのは当然として、変化球で前に出されかけても腕を残してヘッドを返して長打を飛ばす打ち方、やや差し込まれかけても押し込んで逆方向に持っていく打ち方を兼ね備えていることだ。
高打率と長打の両立が可能となることで、投手からしたら攻めようがないような無敵に近い打撃スタイルとなっている。この打撃ができれば、速球中心で張りつつ、変化球で抜かれた際にも反応で長打を打つことができる。
森の対応力の幅は桁違いで、得点状況やカウント、投手に応じて足の上げ方にも変化をつけている。9月1日のソフトバンクとの天王山第3戦でも、追い込まれた状況で155kmを超えるモイネロの速球をマークしつつ、138kmのスラッターを拾ったタイムリー二塁打はその象徴だった。