プロ野球

ロッテと楽天の熾烈なCS争いのカギを握るのは西武?

氏原英明

2019.09.13

ロッテと楽天の熾烈な3位争いの行方を握るのは、現在2位の西武との対戦になりそうだ。写真:徳原隆元

 12日、パ・リーグの天王山が終わった。

 ソフトバンクに優勝マジック「12」が点灯。まだまだ優勝の行方は予断を許さないが、その一方で、CS進出を決める3位争いも熾烈になってきている。

 当該チームはロッテと楽天にほぼ絞られたと言っていい。

 しかし、この両者のデッドヒート、かなりややこしい。
 
 直接対決が1試合しかなく、首位ソフトバンクとの対戦もロッテが1試合もなく、楽天は2試合。その一方で、どちらも2位・西武と5試合も残しているのだ。

 そう、CS進出の行方は両チームの西武戦の結果次第と言ってもいい。
 これまでの対戦成績で西武との分が悪いのはロッテのほうだ。
 
 今季、引き分けを挟んだものも含めて2度の5連敗がある。それも、特定の投手に徹底的にやられたというより、満遍なく封じ込まれている。そして、投手陣も西武打線の餌食になっているのだ。


 もっとも、ロッテにとってこのカードをいい方向に持っていかないことには、CSに進出する意味がないとも言える。というのも、CSの進出が日本シリーズに向かう目標のものだと位置付けたなら、西武は避けて通れぬ相手になるからだ。

 他力でCS進出できたとしても、西武との戦績を好転させない限りは、その先の戦いに見込みはほとんどないだろう。CSに進出するためにも、その先を勝ち抜くためにも、今日から始まる4連戦でこれまでの流れを変えるしかないのである。

 初戦の先発はボルシンガーと発表されている。おそらく、その後は種市篤暉、西野勇士、石川歩という陣容になるだろう。9月に入って連勝でスタートしたロッテは、6日のソフトバンク戦で千賀滉大にノーヒッターを許したものの、以降は3連勝と勢いに乗っている。

 一方の楽天は、西武戦に11勝9敗と勝ち越している。

 西武の投手陣をうまく打ち崩しているという印象だ。茂木栄五郎、浅村栄斗、ブラッシュ、島内宏明の中軸が好成績をマーク。打撃戦になっても終盤の勝負どころできっちり相手を上回って勝ち切っている。ブルペン勝負で負けないのも強みだ。

 また、ロッテと同じく西武戦を5つ残しながら、4試合は地元・仙台でのゲーム。地の利を生かせる好条件も揃っていて、その分、ロッテより優位と言えるかもしれない。

 今日からロッテが西武と4連戦を戦い、月末に楽天が西武と相対する。現在はロッテが楽天を1.5ゲーム差でリード。両チームが西武相手にどんな結果を残すか。CS進出だけでなく、その先をも占うポイントと言える。

文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。
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【動画】CS争いのカギを握る、西武の昨日の試合を振り返る

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