専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

MLBに衝撃! レッドソックス編成トップが世界一から1年足らずで電撃解任…その理由は?

2019.09.10

2球団でワールドチャンピオンを達成し、将来は殿堂入りとの呼び声高いドンブロウスキがまさかの電撃解任。(C)GETTY IMAGES

2球団でワールドチャンピオンを達成し、将来は殿堂入りとの呼び声高いドンブロウスキがまさかの電撃解任。(C)GETTY IMAGES

 現地時間9月8日深夜、衝撃的なニュースが飛び込んできた。レッドソックスがデーブ・ドンブロウスキ編成総責任者を解任したのだ。

 2015年8月に編成トップに就任したドンブロウスキは、トレードやFAで得意の大物釣りに成功。クリス・セール、クレイグ・キンブレル(現カブス)、デビッド・プライス、JD・マルティネスをチームに加え、昨年は球団新の108勝、ポストシーズンでもヤンキース、アストロズ、、ドジャースと強豪を次々に撃破してワールドチャンピオンに立った。しかし今シーズンは地区3位と停滞。8日時点で首位ヤンキースと17.5ゲーム差、ワイルドカード2位にも8ゲーム差とポストシーズン進出は絶望的な状況に立たされていた。

 とはいえ、勝率5割以上はキープしているし、何と言っても世界一達成から1年足らず。唐突なタイミングに多くの球界関係者が驚きを隠さなかった。
 では、なぜオーナーのジョン・W・ヘンリーはこのタイミングで解任を決断したのか。

 そこには、レッドソックスのチーム作りが新たなフェーズに入ったという認識がある。

 先述したように、大物獲得の手腕にかけてはドンブロウスキの右に出る者はいない。その一方で、セールやキンブレルらを獲得するために若手有望株を大量に放出し、マイナー組織が一気にやせ細ってしまったのも事実だった。

 今後、勝利と育成のバランスをうまく取るチーム作りが求められていく中、ドンブロウスキはその任務には不適格と判断された、というのが解任の最大の要因だろう。

 思えば、ドンブロウスキはタイガースGM時代にもミゲル・カブレラやプリンス・フィルダー(引退)、プライスら大物を獲得するなどして強豪チームを作り上げたが、その間にマイナー組織が枯渇。タイガースは今もその「後遺症」に苦しんでいる。「ドンブロウスキ流」は副作用も大きいのだ。

 優勝請負人として招聘したドンブロウスキは、見事にその役目を果たした。しかし、チームの今後の方向性には必ずしもフィットしていない。だから、ここでお引き取り願おうというわけだ。

 冷酷だが、理には適っている。これがMLBの流儀なのだろう。

 ちなみに後任候補には、デレク・ファルビー(ツインズ)、マーク・ヘイゼン(ダイヤモンドバックス)の名が挙がっている他、04年に若き天才GMとして84年ぶりの世界一をもたらしたセオ・エプスティーン(カブス)を呼び戻すという驚きのアイデアも浮上している。

文●久保田市郎(スラッガー編集長)
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号