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MLB

マウンド上でサインを暴露!?通算206勝グレインキーの“珍口動”に「レジェンド」とファン爆笑!

SLUGGER編集部

2020.08.13

球史に名を残す天才右腕は、ピッチング以外でも新たに名を残した。(C)Getty Images

球史に名を残す天才右腕は、ピッチング以外でも新たに名を残した。(C)Getty Images

 通算200勝&2500奪三振を記録している2009年のサイ・ヤング賞投手、ザック・グレインキー(ヒューストン・アストロズ)は、エピソードに事欠かない男だ。そして現地時間12日に行われた試合、グレインキーに“新たな勲章”が加えられた。

 本拠地で行われたサンフランシスコ・ジャイアンツ戦に先発したグレインキーは初回に先制を許したものの、6回まで1失点でまとめる。そして「事件」は7回に起きた。先頭から連打を許し、無死一、二塁のピンチを招くも、相手打者のマウリシオ・デュオンを1-2に追い込むことに成功する。しかし、ピンチということもあって中々サインが決まらない。

 すると突然、マウンド上でグレインキーは、捕手のマーティン・マルドナードに対して「配球」を語り始めたのだ。

「セカンドセット・アフターワン」「セカンドセット・アフターツー」

 次ぎの球、その次の球にバッテリー間で決めた配球シグナル(セカンドセット)を投げることを大っぴらに披露。これを聞いた地元TV局の解説説陣も「信じられない!」と大爆笑していると、この“心理戦”が効いたのか、見事セカンドフライに打ち取り、配球暴露が「うまくいったぞ!(笑)」と解説陣は称賛したのだった。
 
 実は、4回のデュボンの打席の時にも、投球前にスライダーの握りを打者に見せる“珍プレー”を行っていて、実際にスライダーを投じて空振りを奪っている。6.1回1失点と好投したにもかかわらず、当然のようにグレインキーにはなぜ「あんなこと」をしたのかについての質問が殺到し、本人は「二塁に相手がずっといるのが好きじゃないんだ。だから、速く終わらせる方法を探していたってわけ」と、納得(?)の理由を説明した。

 アストロズといえば、昨オフに組織的なサイン盗みを行っていたことが発覚した、“新・悪の軍団”だ。そのチームのエースが、相手に何を投げるのかを自ら教えたというのが反響を呼び、「次何が来るか分かっていても、打てるわけじゃないということを証明した」「グレインキーならやりそう(笑)」「最高のプレー」「レジェンド」と思い思いのコメントが付けられ、関連動画は瞬く間に50万回再生を上っている。

 配球をバラし、しかもその通りに投げる“正直者”の右腕は、自らの心に素直に従ってきた。例えば、2012年オフにロサンゼルス・ドジャースと7年1億4700万ドルで契約を結んだ時、「一番高いカネを払ってくれさえすれば、最悪のチームでもプレーする」と語り、14年に南半球初の公式戦がオーストラリアで開催された際には、「ワクワクするような要素は何一つない」と遠征を拒否。他にもチームがスランプに陥り、ミーティングが開かれて改善点を話し合った時には、「大便をして手を洗わないやつがいる。もうちょっと気をつけてほしい」と進言していた。バスを待たせるチームメイトに苛立ち、その選手のスーツケースを放り投げたこともある。

 かつては社会不安障害を抱えていた天才右腕は、今後も何かやってくれる。そんな期待をせずにはいられない男だ。

構成●SLUGGER編集部

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