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MLB

3勝目を挙げたダルビッシュ、7回途中までノーヒッターも被弾で終了。過去にも「2回」左打者の一発で快挙が幻に

SLUGGER編集部

2020.08.14

7回途中まで圧巻すぎる投球を見せたダルビッシュ。しかし今回“も”、左打者に一発を浴びて快挙が消えた。(C)Getty Images

7回途中まで圧巻すぎる投球を見せたダルビッシュ。しかし今回“も”、左打者に一発を浴びて快挙が消えた。(C)Getty Images

 シカゴ・カブスのダルビッシュ有が現地時間13日、本拠地で行われたミルウォーキー・ブルワーズ戦に先発すると、7回1死までノーヒットノーランの圧巻のピッチングを披露。ジャスティン・スモークにソロ本塁打を許して快挙は幻に終わったものの、7回1失点11奪三振という支配的な投球で3勝目を挙げ、防御率も1.88まで向上させている。しかし、今回の快投はある意味、“デジャブ”とも言えた。

 昨季後半戦から素晴らしいコントロールを見せていたダルビッシュだが、この日は初回に死球を与え、2四球も出すなど本調子ではなかったかもしれない。しかし、1回から7回まで毎回の11奪三振と“らしさ”は健在。最速97.9マイル(156キロ)の4シーム、97.6マイル(156キロ)のシンカー、カッター、カーブ、ナックルカーブ、スライダー、スプリッターと“変化球投手”らしい、多彩な球種を駆使して今季緒戦で黒星を喫したブルワーズ打線を沈黙させた。

 6回を終えて92球とあって、ノーヒッター達成には球数面がネックとなっていたが、7回にこの日キレまくっていたカッターを右翼席へ運ばれて終了。もっとも、ダルビッシュのノーヒッターが被弾で終わるのは、今回が初めてではない。ダルビッシュのノーノーといえば、テキサス・レンジャーズ時代の2013年、9回2死まで完全試合を継続し、“最後”の打者にセンター前ヒットを浴びたシーンが浮かぶだろうが、同年は他にも「ドミナント(支配的)」な投球があった。
 
 2013年8月12日、あわや完全試合に迫った場所&相手(ヒューストン・アストロズ)との一戦、ダルビッシュは7回を終えて無安打1四球13奪三振と“リベンジ”を目指していた。しかし、8回1死から左のカルロス・コーポランにソロアーチを浴びてノーノーも、初完封も達成できずに終わってしまった。

 そして同月30日、今度はホームスタンドで行われたミネソタ・ツインズ戦でも、6回無安打10奪三振の快投を見せた。しかし7回、先頭に四球を与えると、次ぎのクリス・ハーマンに速球を叩かれて、試合を振り出しに戻す2ランを浴びてしまう。さらに続くジャスティン・モアノーにも2者連続弾を食らって一挙3失点。何とこの試合では、負け投手になってしまったのだ。

 こうして振り返ると、最初の完全試合未遂も、今日の試合も、過去2回あった被弾によるノーヒットノーラン消滅も、すべて「左打者」によるものだった。2014年にあった味方野手の事実上のエラーで消えたノーノーも、左の強打者であるデビッド・オティーズに都合2度ヒットを浴びて快挙を阻まれている。

 ダルビッシュは今後も支配的なピッチングを見せてくれるはずだ。しかしその時、壁になるのは「左打者」となりそうである。それを乗り越えた暁には、念願のマイルストーンが球史に刻まれるに違いない。

構成●SLUGGER編集部
 

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