開幕前に「サイ・ヤング賞有力候補」と言われた男が、今や「本命」まで"格上げ"している。
シカゴ・カブスのダルビッシュ有は現地時間18日、本拠地で行われたセントルイス・カーディナルス戦に先発すると、6回1失点8安打7奪三振の粘投でメジャー最多に並ぶ4勝目を挙げた。今季緒戦に4回3失点で黒星を喫して以降は4連勝、4連続QS(6回以上を投げて自責点3以下)と安定した投球を見せており、防御率1.80は両リーグ8位、K/BB(奪三振と与四球の比)6.80は7位、30.0イニングは10位と抜群の内容を誇っているのだ。
18日時点でカブスは15勝7敗、地区2位に4.5ゲーム差を付けてナ・リーグ中地区の首位に立っている。早くも独走態勢を築きつつある中で、「カブスがメジャー最大ゲーム差で地区首位にいる最大の理由の一つが、ユウ・ダルビッシュだ」と断言する人物がいる。40万人近いフォロワーを抱える『MLBネットワーク』の名物記者、ジョン・モロシだ。
モロシ氏はまず、ダルビッシュが与四球率(1.50)とWHIP(1投球回あたりにどれだけの走者を背負ったのかを示す指標/0.90)でキャリアベストを更新する可能性が高いことを指摘。ちなみに、ダルビッシュのそれぞれのベストは、与四球率が2017年の2.80、WHIPは13年の1.07である。さらに、ここ数年に重要視されている『スタットキャスト』(簡単に言えば、軍事用レーダーを使ってあらゆるプレーを数値化できるシステム)によるデータも、ダルビッシュの"本物"ぶりを後押ししているという。
メジャーでは、『スタットキャスト』の登場によって「打球の質」などから成績を予測することが可能になった。例えば、現在の成績は良いけれども、相手打者には痛打されていて、成績悪化の可能性が高いという見方がメジャーではできるようになっている。
その「打球の質」を表わす『ハードヒット率』(打球初速95マイル以上の打球割合)、『バレル率』(ざっくり言うと、長打になる可能性が高い打球割合。打者はバレル率を高めると好成績が望め、投手は低い数字を出せれば凡打に打ち取れる)も、ダルビッシュはキャリアベストの数字を残している。つまり、現在の好投は"偽り"ではなく、今後も好成績を持続できる可能性が高いと見ることができる。
もし故障なく、ダルビッシュがシーズンを完走できた暁には、アジア人史上初のサイ・ヤング賞を獲得し、カブスに2016年以来となる世界一をもたらすかもしれない。
構成●SLUGGER編集部
シカゴ・カブスのダルビッシュ有は現地時間18日、本拠地で行われたセントルイス・カーディナルス戦に先発すると、6回1失点8安打7奪三振の粘投でメジャー最多に並ぶ4勝目を挙げた。今季緒戦に4回3失点で黒星を喫して以降は4連勝、4連続QS(6回以上を投げて自責点3以下)と安定した投球を見せており、防御率1.80は両リーグ8位、K/BB(奪三振と与四球の比)6.80は7位、30.0イニングは10位と抜群の内容を誇っているのだ。
18日時点でカブスは15勝7敗、地区2位に4.5ゲーム差を付けてナ・リーグ中地区の首位に立っている。早くも独走態勢を築きつつある中で、「カブスがメジャー最大ゲーム差で地区首位にいる最大の理由の一つが、ユウ・ダルビッシュだ」と断言する人物がいる。40万人近いフォロワーを抱える『MLBネットワーク』の名物記者、ジョン・モロシだ。
モロシ氏はまず、ダルビッシュが与四球率(1.50)とWHIP(1投球回あたりにどれだけの走者を背負ったのかを示す指標/0.90)でキャリアベストを更新する可能性が高いことを指摘。ちなみに、ダルビッシュのそれぞれのベストは、与四球率が2017年の2.80、WHIPは13年の1.07である。さらに、ここ数年に重要視されている『スタットキャスト』(簡単に言えば、軍事用レーダーを使ってあらゆるプレーを数値化できるシステム)によるデータも、ダルビッシュの"本物"ぶりを後押ししているという。
メジャーでは、『スタットキャスト』の登場によって「打球の質」などから成績を予測することが可能になった。例えば、現在の成績は良いけれども、相手打者には痛打されていて、成績悪化の可能性が高いという見方がメジャーではできるようになっている。
その「打球の質」を表わす『ハードヒット率』(打球初速95マイル以上の打球割合)、『バレル率』(ざっくり言うと、長打になる可能性が高い打球割合。打者はバレル率を高めると好成績が望め、投手は低い数字を出せれば凡打に打ち取れる)も、ダルビッシュはキャリアベストの数字を残している。つまり、現在の好投は"偽り"ではなく、今後も好成績を持続できる可能性が高いと見ることができる。
もし故障なく、ダルビッシュがシーズンを完走できた暁には、アジア人史上初のサイ・ヤング賞を獲得し、カブスに2016年以来となる世界一をもたらすかもしれない。
構成●SLUGGER編集部