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MLB

メジャー最多6勝・ダルビッシュ有の凄みを指揮官と相手打者が“分析“「156キロを常に意識しないと」「何を投げるか予測がつかない」

THE DIGEST編集部

2020.08.31

なぜダルビッシュはメジャー最高投手の一人なのか。2つの観点から、相手打者と指揮官が“分析”している。(C)Getty Images

なぜダルビッシュはメジャー最高投手の一人なのか。2つの観点から、相手打者と指揮官が“分析”している。(C)Getty Images

 その投球はメジャー最高峰の域にあると言っていいだろう。

 シカゴ・カブスのダルビッシュ有が現地29日、敵地で行われたシンシナティ・レッズとのダブルヘッダー第1試合に先発し、6回7安打無失点、2四球8奪三振の好投で今季6勝目をマークした。6勝はメジャー最多タイ、防御率1.47は3位、K/BB6.50も3位、bWAR(勝利貢献度)2.1は4位と、スタッツは軒並みメジャー上位に位置しており、サイ・ヤング賞の本命に挙げる声が多いのも納得である。

 そんな球界屈指の右腕の強みは果たして何なのか。相手打者と指揮官が同じ見解を述べているのが大変興味深い。キーワードは「スピード」と「変化球」だ。
 
 この日ダルビッシュを前に3打数無安打2三振に倒れたタッカー・バーンハートは「僕には、68マイル(109キロ)から最後には97マイル(156キロ)まで投げてきた。30マイル(約48キロ)の落差に対応するには少し難しかった」と、緩急を付けた投球に舌を巻いた。そして「彼は多くの変化球を投げる中で、97~98マイル(156~158キロ)の速球を気にしないといけないなんて、ちょっとクレイジーだけど、彼に対してはいろいろと考えながらアプローチをしないといけない」と、“本格派の変化球投手”であるダルビッシュの凄さを説明している。

 そして指揮官のデビッド・ロスもこう口にした。「いやぁ、ユウを分析するのは本当にタフなことだと思う。なんせ常に97マイル(156キロ)の速球を意識しなければならないんだから」と、バーンハート同様に球威の凄さを評価。そして「彼へのゲームプランを立てるのは難しい。さまざまな球種を投げてきて、何を投げてくるのか予測がつかないんだから」と語り、11球種を操るダルビッシュの厄介さを相手へ同情するかのような表現で称賛したのだった。

「球威+多彩な変化球の共存」。日本時代に5年連続防御率1点台という前人未踏の大記録を成し遂げたダルビッシュが、最高の舞台メジャーリーグでも、その素質を遺憾なく発揮しているのは間違いない。

構成●THE DIGEST編集部
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