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ダルビッシュ、リーグ単独8勝で日本人初の最多勝当確! 最終登板を7回無失点の好投でサイ・ヤング賞も射程圏に

SLUGGER編集部

2020.09.26

ダルビッシュが最終戦で7回無失点の好投を見せ、最多勝をほぼ手中に収めた。(C)Getty Images

 シカゴ・カブスのダルビッシュ有は現地時間25日、敵地で行われたシカゴ・ホワイトソックス戦に先発。シーズン最終登板となるこの試合を、7回94球を投げて無失点、3安打1四球5奪三振と好投して8勝目を手にした。

 この勝利でナ・リーグの最多勝レースは単独トップに立ち、残り試合数を考えれば最多勝はほぼ当確と言っていい状況。日本人メジャーリーガーではイチローが首位打者2回、盗塁王1回、野茂英雄とダルビッシュが最多奪三振をそれぞれ2回、1回タイトルを獲得してきたが、最多勝獲得者はゼロ。ダルビッシュはその快挙をほぼ確定的にしている。

 最後の最後で再び実力を発揮してみせた。ダルビッシュの最終登板はこの試合前の時点で打率メジャー5位&本塁打3位の強力ホワイトソックス打線。前回8月23日の対戦では7回1失点10奪三振の力投で2対1の接戦をものにしたが、難敵であるのは変わりない。

 ダルビッシュは初回、先頭の首位打者争いを演じるティム・アンダーソンにヒットを許す立ち上がりとなったが、その後6人をピシャリ。味方打線も2本のホームランで4点を加えて3回裏に入った。しかし、8番に甘く入ったカッターを左中間フェンス直撃の二塁打とされ、再びノーアウトの走者を許してしまう。続く9番のニック・マドリガルにも10球も粘られて上位打線を迎えるが、アンダーソンを右飛、ヨアン・モンカダにはアウトローにドンピシャの97.8マイル(157.4キロ)の4シームで見逃し三振を奪い、ピンチを脱した。
 
 その後は4回、5回と計4回も先頭打者を出塁させたものの、すべて凌いで結局は7回まで無失点の素晴らしいピッチング。計12先発して6回目のHQS(7イニング以上を投げて自責点2以下)を記録して8勝目を手にした。

 節目となったのは5回裏だった。先頭のルイス・ロバートにヒットを許し、続く打者を三球三振に仕留めたものの、先の打席で10球を投じさせられたマドリガルにボールが2球先行してしまう。ここで四球を出すようだと厳しくなるが、チームメイトと投手コーチがすかさずマウンドに集まって声を掛けると、制球が安定してアウトに打ち取る。そしてここから、7回まで一人の走者も出さずに8者連続アウトを記録して、好投につながった。

 この試合を終えてダルビッシュはリーグトップの8勝目を手にし、93奪三振はリーグ3位、防御率2.01はリーグ2位となった。サイ・ヤング賞を争うトレバー・バウアー(シンシナティ・レッズ)はもう一度登板する予定で、その結果次第では防御率(バウアーは現時点で1.73)のタイトル獲得も見えてくる。

 ちなみに、ダルビッシュの防御率2.01は1950年以降のカブス先発投手では歴代2位に相当する。1位のジェイク・アリエタ(2016年/1.77)はこの年にサイ・ヤング賞を獲得したが、ダルビッシュもアリエタに次ぐ快挙を成し遂げる可能性もまだまだ残っている。ともあれ、ここまで素晴らしい投球を残してきた事実は、誰もが認めていることである。

構成●SLUGGER編集部
 
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