MLB

ダルビッシュ、負けたら終わりの試合で7回途中まで無失点も2死から痛恨の被弾。カブスはシーズン終了の危機

SLUGGER編集部

2020.10.03

6回まで完璧に近い投球を見せたダルビッシュだが、7回に思わぬ落とし穴が待っていた。(C)Getty Images

 シカゴ・カブスのダルビッシュ有は現地時間2日、マイアミ・マーリンズとのワイルドカード・シリーズ第2戦に先発。6.2回を5安打2失点、2四球6奪三振に抑える力投を見せるも、無念の降板となった。

 天候不良で1日ずれた第2戦、ダルビッシュはロサンゼルス・ドジャース時代の2017年ワールドシリーズ以来となるポストシーズンのマウンドに上がった。第1戦を1対5で落としたカブスは、この試合で負けたら終わりという崖っぷちの状況での登板となったが、プレッシャーを微塵も感じさせない投球を披露。

 初回、先頭打者を三振に打ち取って三者凡退に抑えると、3回まで1四球のみのノーヒットピッチング。4回には2番打者にこの日初安打を浴び、さらに続く打者には2ストライクから死球を出して無死一、二塁と一転してピンチを迎えてしまう。しかし、4番を初球で遊撃ゴロ併殺に仕留め、5番を切れ味抜群のスライダーで空振り三振に打ち取り、窮地を脱したのだった。
 
 この直後にカブス打線は2連続四球で出塁し、先制のチャンスを得るも、ジェイソン・ヘイワードのヒットで二塁からホームを狙った走者が本塁憤死。嫌なムードが漂う中の5回は2つの好守がダルビッシュを救った。先頭打者の長打性の打球は、ゴールドグラブ4回の右翼のヘイワードが好捕。さらに続く打者に左中間フェンス直撃のヒットを浴びたが、左翼のカイル・シュワーバーが見事な送球で二塁を狙った打者をアウトに仕留めて盛り立てた。

 エースの好投を助けたい打線だが、シーズン後半からの低調を引きずるように、最速101マイル(162.5キロ)を誇る22歳の豪腕シクスト・サンチェスの前に再三のチャンスを作るも6回まで援護できず。すると7回、ダルビッシュは簡単に2死アウトまでこぎつけ、この日2三振の4番、ギャレット・クーパーを2球で追い込んだが、決めに行った4球目カッターが真ん中に入ってしまい痛恨の被弾。さらに続く5番に二塁打、申告敬遠後にタイムリーを浴びて2失点目。1球の失投がその歯車を完全に狂わせてしまった形だ。

 6回まで完璧に近かったダルビッシュだが、7回にまさかの落とし穴。レギュラーシーズンでは一度も途中降板はなかったが、大事な試合でその1回が来てしまった。このまま敗れればカブスの今季は終了となる。果たして打線が奮起して追いつけるだろうか。

構成●SLUGGER編集部
 
NEXT
PAGE
【動画】ダルビッシュ、ピンチを伝家の宝刀スライダーで切り抜ける!