プロ野球

【2020ドラフト展望:日本ハム】「一番いい選手から指名する」独自のドラフト戦略を今年も貫くか

出野哲也

2020.10.18

地元北海道出身の伊藤は早くから1位候補とされてきたが、実際は誰を指名するだろうか? 写真:大友良行

 いよいよ27日に迫った2020年ドラフト会議。各チームの育成状況や弱点を踏まえた上で、「誰を指名するか」ではなく「誰を指名するべきか」という観点からドラフトを展望する。果敢なドラフト戦略で知られる日本ハムは、今年はどんな補強を展開するだろうか。

【2020年ドラフトのテーマ】
・即戦力の本格派先発右腕の指名
・次代の正捕手候補獲得も急務


 2年連続Bクラスに終わるのが濃厚な状況で、フロント・首脳陣の顔触れが変わる可能性もある。しかし、このチームのドラフトにおける基本的な姿勢、すなわち「今、弱い部分を補う」のではなく「ポジションにかかわらず一番いい選手から指名する」方針は変わないだろう。

 ここ数年、日本ハムの1位指名選手は早い段階で予想できた。2018年は清宮幸太郎、19年は佐々木朗希と、その年、最も話題になった選手に(もちろん実力も評価した上で)入札することが多かった。ところが、今年はナンバーワンが誰かいまひとつはっきりしない。高校生なら高橋宏斗(中京大中京)、大学・社会人なら早川隆久(早稲田大)か伊藤大海(苫小牧駒大)あたりと思われるが、明白な決め手がないのだ。
 
 地元北海道の大学でプレーする伊藤は早い段階から1位候補に挙げられていたが、一時は佐藤輝明(近畿大)も候補に挙がった。しかし、15日のスカウト会議で大渕隆スカウト部長が大学生投手の1位指名を明言。伊藤か早川を1位で指名し、外れた場合は木澤尚文(慶応大)、あるいはギャンブルではあるけれども、山崎伊織(東海大)もなくはない。

 ところで、現時点で一番の弱点となっているのは捕手とあって、補強の必要性を叫ぶファンも少なくない。だが、正捕手に一番近い清水優心は24歳、高卒2年目の田宮裕涼も一軍デビューを果たすなど若い選手の数自体は多い。それでも、2位まで古川裕大(上武大)が残っていれば、指名する価値はあるだろう。また内山壮真(星稜)は、現在は捕手だが下級生時は遊撃手として評判だったので、コンバート含みで取っても良さそうだ。