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MLB

2021年MLBドラフトの指名順が決定!全体1位のパイレーツは、バンダービルト大の剛腕を狙う?

宇根夏樹

2020.10.29

パイレーツから全体1位指名が有力視されている、バンダービルト大のロッカー。(C)Getty Images

パイレーツから全体1位指名が有力視されている、バンダービルト大のロッカー。(C)Getty Images

 来年のドラフト指名順が確定した。今年が短縮シーズンだったこともあり、昨シーズンと今シーズンを合算した勝率で指名順を決めるなどの案も出ていたが、結局は例年どおり、原則として2020年の勝率が低い球団から順に指名していく。ただ、開催される時期はこれまでの6月上旬と違い、来年のドラフトは7月11~13日に行われる。

 全体1位の指名権を持つのは、勝率.317のパイレーツだ。続いて、レンジャーズ(.367)、タイガース(.397)、レッドソックス(.400)、オリオールズ(.417)……と並ぶ。続く6番目のダイヤモンドバックスは、オリオールズと同じ勝率.417だが、2019年の勝率がオリオールズより高いため、指名順位は後になる。オリオールズは2年連続の5番目以内で、タイガースに至っては18年から4年連続だ。

 パイレーツの全体1位は、11年以来9年ぶり。この時は、UCLAのゲリット・コール(現ヤンキース)を指名した。なお、この時は、大学でコールとチームメイトだったトレバー・バウアー(現レッズ)も全体3位でダイヤモンドバックスに指名されている。
 
 来年、パイレーツが全体1位で指名するのは、昨年のNCAAディビジョン1選手権のデューク大戦で19奪三振のノーヒッターを達成したバンダービルト大の右投手、クマール・ロッカーだろう。また、同じバンダービルト大には有望株右腕のジャック・ライターもいて、コールとバウアーと同じように、チームメイトが両方1巡目指名を受ける可能性もある。なお、ロッカーとライターは、どちらもプロのスポーツ選手だった父を持ち、ロッカーの父トレイシーは、NFLの元選手。現在はサウスカロライナ大でディフェンシブライン・コーチを務めている。一方、ライターの父アルは、メッツなどで活躍したメジャー通算162勝の左投手だ。

 なお、指名順の最後を飾るのは勝率.717のドジャースで、これも2年連続だ。だが、ドジャースの1巡目指名は、今年も来年も全体29番目。これは本来、来年の指名順が16番目のアストロズ(.483)が、サイン盗みのペナルティとして、今年と来年の1巡目と2巡目の指名権を剥奪されているためだ。ちなみに、同じくサイン盗みでペナルティを受けたレッドソックスへの処分は、今年の2巡目剥奪だけだった。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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