日本の投打のスター選手の競演はあるのだろうか。
9月に国内FA権を取得した日本球史に残る二塁手、山田哲人(ヤクルト)の動向にアメリカ球界も熱視線を送っているようだ。中でもダルビッシュ有が所属するシカゴ・カブスの専門メディア『ブリーチャー・ネーション』は「もし日本のスター二塁手、テツト・ヤマダがポスティングされれば、カブスは獲得に動くべきなのか」という特集記事を寄稿してまで、その可能性について模索しているほどである。
記事を担当したブレット・テイラー氏はまず、今オフにポスティング・システムを利用する選手に、韓国プロ野球の大型遊撃手、25歳のキム・ハソン以外にも注目すべき人物がいるとして「日本球界屈指の打者でありながら、素晴らしい守備力を誇る二塁手」の山田を紹介。同氏は山田が実際にポスティングされるかはまだ分からないとしながらも、カブスが獲得すべき選手なのかについて考察を始めた。
山田がアメリカ有識者の一部から「日本のマイク・トラウト」と呼ばれる存在であることは、やや過大表現とはしつつも、昨年の通算成績(964試合で打率.297、202本塁打、出塁率.401、OPS.934、168盗塁)を掲載して「明らかに卓越した存在」と称賛。
もっとも、過去の日本人選手の大半がそうであったように、日本での活躍がそのままメジャーの数字に当てはめることはできないとけん制し、今季海を渡った秋山翔吾(シンシナティ・レッズ)と筒香嘉智(タンパベイ・レイズ)のOPSが200ポイント前後(秋山は.864→.654、筒香は.899→.708)も下落したことを例に挙げた。
ただ、過去のスカウティング・レポートから、山田は秋山や筒香よりも打席アプローチが優れていると見られ、結局の問題は、山田がメジャーでパワーツールを発揮できるかどうかにかかっているとしている。それでも、テイラー氏は注目されているキムよりも「ずっとレベルの高いリーグで結果を残している山田の方が上」と評価しているようだ。
そして結論として、「もしヤマダがポスティングされれば、カブスは獲得すべき」との見解を出している。それは以下の理由からだ。一つはカブスの二塁手が定まっていないこと。有望株のニコ・ホーナーが今季壁にぶつかっており、大半はベテランのジェイソン・キプニスが穴を埋めた形だが、キプニスもまたFAであり、二塁は弱点のポジションのままである。
そしてもう一つが、「可能性」だ。「日本のスター選手が低コストできたら? もしうまくメジャーに適応できたら? それは過去になかったことではない」とし、「この秋にヤマダがポスティングされるかどうかを、しっかり見届けていきたい」と表現している。
さらりと書いたが、おそらく今季推定年俸5億円の山田が本当にメジャー移籍を目指した場合、契約は高く見積もっても年400~500万ドル(約5億2000万円)程度になるだろう。つまり日本時代と年俸はさほど変わらず、もしかしたら下がる可能性もある。そうしたリスクを踏まえながらも、今後の去就はどうなるか。ヤクルト残留、日本他球団の移籍、そしてメジャー。いずれにせよ、球界最高の二塁手の動向には目が離せない。
構成●THE DIGEST編集部
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9月に国内FA権を取得した日本球史に残る二塁手、山田哲人(ヤクルト)の動向にアメリカ球界も熱視線を送っているようだ。中でもダルビッシュ有が所属するシカゴ・カブスの専門メディア『ブリーチャー・ネーション』は「もし日本のスター二塁手、テツト・ヤマダがポスティングされれば、カブスは獲得に動くべきなのか」という特集記事を寄稿してまで、その可能性について模索しているほどである。
記事を担当したブレット・テイラー氏はまず、今オフにポスティング・システムを利用する選手に、韓国プロ野球の大型遊撃手、25歳のキム・ハソン以外にも注目すべき人物がいるとして「日本球界屈指の打者でありながら、素晴らしい守備力を誇る二塁手」の山田を紹介。同氏は山田が実際にポスティングされるかはまだ分からないとしながらも、カブスが獲得すべき選手なのかについて考察を始めた。
山田がアメリカ有識者の一部から「日本のマイク・トラウト」と呼ばれる存在であることは、やや過大表現とはしつつも、昨年の通算成績(964試合で打率.297、202本塁打、出塁率.401、OPS.934、168盗塁)を掲載して「明らかに卓越した存在」と称賛。
もっとも、過去の日本人選手の大半がそうであったように、日本での活躍がそのままメジャーの数字に当てはめることはできないとけん制し、今季海を渡った秋山翔吾(シンシナティ・レッズ)と筒香嘉智(タンパベイ・レイズ)のOPSが200ポイント前後(秋山は.864→.654、筒香は.899→.708)も下落したことを例に挙げた。
ただ、過去のスカウティング・レポートから、山田は秋山や筒香よりも打席アプローチが優れていると見られ、結局の問題は、山田がメジャーでパワーツールを発揮できるかどうかにかかっているとしている。それでも、テイラー氏は注目されているキムよりも「ずっとレベルの高いリーグで結果を残している山田の方が上」と評価しているようだ。
そして結論として、「もしヤマダがポスティングされれば、カブスは獲得すべき」との見解を出している。それは以下の理由からだ。一つはカブスの二塁手が定まっていないこと。有望株のニコ・ホーナーが今季壁にぶつかっており、大半はベテランのジェイソン・キプニスが穴を埋めた形だが、キプニスもまたFAであり、二塁は弱点のポジションのままである。
そしてもう一つが、「可能性」だ。「日本のスター選手が低コストできたら? もしうまくメジャーに適応できたら? それは過去になかったことではない」とし、「この秋にヤマダがポスティングされるかどうかを、しっかり見届けていきたい」と表現している。
さらりと書いたが、おそらく今季推定年俸5億円の山田が本当にメジャー移籍を目指した場合、契約は高く見積もっても年400~500万ドル(約5億2000万円)程度になるだろう。つまり日本時代と年俸はさほど変わらず、もしかしたら下がる可能性もある。そうしたリスクを踏まえながらも、今後の去就はどうなるか。ヤクルト残留、日本他球団の移籍、そしてメジャー。いずれにせよ、球界最高の二塁手の動向には目が離せない。
構成●THE DIGEST編集部
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