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プロ野球

【2020ドラフト総括:楽天】早川の競合勝利だけでも◎、投手6野手1の“偏重”指名は来季への意気込みの表れ?

出野哲也

2020.10.29

最優先課題だったエース級の確保で早川を引き当てたのは、何よりも大きかった。写真:山手琢也

最優先課題だったエース級の確保で早川を引き当てたのは、何よりも大きかった。写真:山手琢也

 今年も大いに盛り上がったドラフト会議。果たして各チームは事前の狙い通りの指名ができたのだろうか? 事前のチーム状況を改めて整理しながら、楽天のドラフトを振り返ってみよう。

【指名選手】
1位 早川隆久(投手/早稲田大)
2位 高田孝一(投手/法政大)
3位 藤井聖(投手/ENEOS)
4位 内間拓馬(投手/亜細亜大)
5位 入江大樹(内野手/仙台育英高)
6位 内星龍(投手/履正社高)
【育成】
1位 石田駿(投手/BC栃木)
 
 2012年以降、8年続けて1位は高校生に入札しており、また「エース候補獲得」が至上命題とされていた中、高校生で最も評価の高い高橋宏斗(中京大中京)を狙うかと思われた。だが今回のターゲットは、石井一久GMと同じ千葉出身の左腕・早川隆久(早稲田大)で、4球団競合の末に見事に引き当てた。

 今年は52.2回を投げ77奪三振、与四球は8個のみという驚異的な成績。岸孝之(35歳)、涌井秀章(34歳)、則本昂大(29歳)と先発陣の高齢化が進み、松井裕樹はリリーフに戻り、藤平尚真らは伸び悩み……という状況で、どうしても必要だったエースになり得る若い素材を手に入れただけでも、合格点をつけるには十分だ。

 エースだけでなく投手陣の底上げも大きなポイントで、今年のドラフトでは東北に縁のある大学・社会人投手が多く、誰か一人は指名するのではと考えられた。実際、山野太一(東北福祉大/ヤクルト2位)、佐々木健(富士大→JR東日本/西武2位)、大道温貴(八戸学院/広島3位)は他球団が上位指名している。

 先に取られた山野は別として、佐々木は2位、大道は3位まで指名機会はあったがスルー。即戦力系の投手は2~4位で高田、藤井、内間を続けて指名し、下位で獲得可能だった宇田川優希(仙台大→オリックス育成3位)にも目もくれなかった。もちろん「地元だから優先的に指名する」というのは間違いで、その時点で一番評価している選手を取るべきなのだが、東北のファンは多少寂しい感じもあったのではないか。
 

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