プロ野球

【2020ドラフト総括:ソフトバンク】独自性を発揮した一方で補強ポイントは埋められなかったが、これも王者の余裕?

出野哲也

2020.11.02

高校通算50発のスラッガー井上は、走攻守すべてに評価が高い。写真:徳原隆元

 今年も大いに盛り上がったドラフト会議。果たして各チームは狙い通りの指名ができたのだろうか? 事前のチーム状況を改めて整理しながら、ソフトバンクのドラフトを振り返ってみよう。

【指名選手】
1位 井上朋也(外野手/花咲徳栄高)
2位 笹川吉康(外野手/横浜商高)
3位 牧原巧汰(捕手/日大藤沢高)
4位 川原田純平(内野手/青森山田高)
5位 田上奏大(投手/履正社高)
【育成】
1位 佐藤宏樹(投手/慶応大)
2位 中道佑哉(投手/八戸学院大)
3位 桑原秀侍(投手/神村学園高)
4位 早真之介(外野手/京都国際高)
5位 緒方理貢(内野手/駒沢大)
6位 居谷匠真(捕手/明豊高)
7位 大城真乃(投手/宜野座高)
8位 中村亮太(投手/東農大北海道オホーツク) 
 
 昨年も石川昂弥(東邦高→中日)を1位で入札したように、松田宣浩らの衰えに伴う野手強化は最優先事項。そのため、公言通りに近畿大の佐藤輝明への入札したが、外してしまった。この時点で中央大の大型二塁手・牧秀悟はまだ残っていたが指名せず、高校通算50本塁打の井上を選択した。1位指名は多少意外でも、走攻守三拍子そろった若い頃の松田に似たタイプの三塁手とあって、楽しみな逸材だ。

 それ以降も、身体能力の高い笹川、打てる捕手の牧原、ポスト今宮健太候補の川原田と、4位まですべて野手を指名。野手補強というテーマに沿ってはいるが、いずれも高校生で、即戦力となる確率は限りなく低い。新旧交代の時期はまだ先でいいと考えているのか、単に今年の即戦力候補が魅力的と映らなかったのか。もしくは、今いる選手たちに手応えを感じているのだろうか。