記者投票による、2021年の殿堂入り候補が発表された。25人中14人は前回から引き続き対象となっている選手だが、メジャーで10年以上プレーし、15年限りで引退した選手11人が新たな候補となった。
ティム・ハドソン 222勝133敗/2080奪三振/防御率3.49
マーク・バーリー 214勝160敗/1870奪三振/防御率3.81
バリー・ジート 165勝143敗/1885奪三振/防御率4.04
AJ・バーネット 164勝157敗/2513奪三振/防御率3.99
ダン・ヘイレン 153勝131敗/2013奪三振/防御率3.75
ラトロイ・ホーキンス 75勝94敗98セーブ/983奪三振/防御率4.31
トリ・ハンター 2452安打/353本塁打/195盗塁/打率.277
アラミス・ラミレス 2303安打/386本塁打/29盗塁/打率.283
マイケル・カダイヤー 1522安打/197本塁打/75盗塁/打率.277
ニック・スウィッシャー 1338安打/245本塁打/13盗塁/打率.249
シェーン・ビクトリーノ 1274安打/108本塁打/231盗塁/打率.275
11人ともメジャーデビューは1990年代後半から00年代前半にかけてで、キャリアの大半はイチローがメジャーで活躍した時期と重なっている。
ハドソンとジートは、00年代前半のアスレティックスで、マーク・マルダーとともに先発投手トリオの“ビッグ3”を形成した。同地区のマリナーズにいたイチローとの対戦機会も多く、特にハドソンはイチローのデビュー戦で対戦し、内野ゴロ2本と三振に封じるなど、メジャーの“洗礼”を浴びせている。対イチロー通算被打率.217は、イチローと25打席以上で対戦した97投手の中で7番目に低い数値だ。ジートはイチローのデビュー2戦目の相手であり、この時は外野フライと内野ゴロ、三振と抑えたが、通算被打率は.325だった。
外野手のハンターは、01~09年に、イチローとともにア・リーグ外野手のゴールドグラブをともに受賞した間柄だ。ツインズ時代の02年にはオールスターにも出場し、ハンターがセンター、イチローがライトを守って共演。初回にバリー・ボンズ(当時ジャイアンツ)が放った本塁打性の当たりをジャンプ一番好捕する美技を見せている。
また、ヘイレンとスウィッシャーは、それぞれ1シーズンにも満たないながら、イチローと同じチームでプレーした。イチローが12年の夏にマリナーズからヤンキースへ移り、スウィッシャーとチームメイトに。2人は外野の両翼をそれぞれ守ることが多かったが、イチローがセンター、スウィッシャーはライト、そしてレフトは後に楽天でプレーするアンドリュー・ジョーンズという外野トリオも何試合かあった。
ヘイレンは15年のマーリンズで、自身が夏にカブスへ移籍するまでイチローと一緒だった。イチローがタイムリーヒットを打ち、ヘイレンが白星を挙げた試合や、ヘイレンの代打にイチローが起用された試合もあった。
なお、今回の新候補は11人とも、今年のデレク・ジーターのように、1年目で殿堂入りする可能性はほぼない。もし殿堂に迎え入れられるとしても、それは何年か先のことになりそうだ。もしかすると、25年度の投票で初めて投票対象となるイチローと、揃って殿堂入りする選手がいるかもしれない。
文●宇根夏樹
【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。
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ティム・ハドソン 222勝133敗/2080奪三振/防御率3.49
マーク・バーリー 214勝160敗/1870奪三振/防御率3.81
バリー・ジート 165勝143敗/1885奪三振/防御率4.04
AJ・バーネット 164勝157敗/2513奪三振/防御率3.99
ダン・ヘイレン 153勝131敗/2013奪三振/防御率3.75
ラトロイ・ホーキンス 75勝94敗98セーブ/983奪三振/防御率4.31
トリ・ハンター 2452安打/353本塁打/195盗塁/打率.277
アラミス・ラミレス 2303安打/386本塁打/29盗塁/打率.283
マイケル・カダイヤー 1522安打/197本塁打/75盗塁/打率.277
ニック・スウィッシャー 1338安打/245本塁打/13盗塁/打率.249
シェーン・ビクトリーノ 1274安打/108本塁打/231盗塁/打率.275
11人ともメジャーデビューは1990年代後半から00年代前半にかけてで、キャリアの大半はイチローがメジャーで活躍した時期と重なっている。
ハドソンとジートは、00年代前半のアスレティックスで、マーク・マルダーとともに先発投手トリオの“ビッグ3”を形成した。同地区のマリナーズにいたイチローとの対戦機会も多く、特にハドソンはイチローのデビュー戦で対戦し、内野ゴロ2本と三振に封じるなど、メジャーの“洗礼”を浴びせている。対イチロー通算被打率.217は、イチローと25打席以上で対戦した97投手の中で7番目に低い数値だ。ジートはイチローのデビュー2戦目の相手であり、この時は外野フライと内野ゴロ、三振と抑えたが、通算被打率は.325だった。
外野手のハンターは、01~09年に、イチローとともにア・リーグ外野手のゴールドグラブをともに受賞した間柄だ。ツインズ時代の02年にはオールスターにも出場し、ハンターがセンター、イチローがライトを守って共演。初回にバリー・ボンズ(当時ジャイアンツ)が放った本塁打性の当たりをジャンプ一番好捕する美技を見せている。
また、ヘイレンとスウィッシャーは、それぞれ1シーズンにも満たないながら、イチローと同じチームでプレーした。イチローが12年の夏にマリナーズからヤンキースへ移り、スウィッシャーとチームメイトに。2人は外野の両翼をそれぞれ守ることが多かったが、イチローがセンター、スウィッシャーはライト、そしてレフトは後に楽天でプレーするアンドリュー・ジョーンズという外野トリオも何試合かあった。
ヘイレンは15年のマーリンズで、自身が夏にカブスへ移籍するまでイチローと一緒だった。イチローがタイムリーヒットを打ち、ヘイレンが白星を挙げた試合や、ヘイレンの代打にイチローが起用された試合もあった。
なお、今回の新候補は11人とも、今年のデレク・ジーターのように、1年目で殿堂入りする可能性はほぼない。もし殿堂に迎え入れられるとしても、それは何年か先のことになりそうだ。もしかすると、25年度の投票で初めて投票対象となるイチローと、揃って殿堂入りする選手がいるかもしれない。
文●宇根夏樹
【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。
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