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プロ野球

「フェン直査定」要求の中田翔。札幌ドームの“被害”にあって損した本塁打は9本? 

新井裕貴(SLUGGER編集部)

2020.11.27

本来なら本塁打&打点の二冠王だったかもしれない中田。オフには恨み節も出たが……。写真:徳原隆元

本来なら本塁打&打点の二冠王だったかもしれない中田。オフには恨み節も出たが……。写真:徳原隆元

 面白いニュースが飛び込んできた。日本ハムの4番・中田翔が今オフの契約交渉にて、“フェン直”について申し立てを行うという。いわく、今季は外野フェンスに直撃する打球が多く、もう1メートル飛んでいればスタンドインする打球が多かったとのことで、これが自身の本塁打数、ひいては打撃成績に影響したため、“フェン直”も交渉の中に含んでほしいというのだ。

 中田の今季成績は119試合に出場して打率.239、31本塁打、108打点、出塁率.320、OPS.811。自身3度目の打点王のタイトルを獲得した一方で、本塁打数は1本差で浅村栄斗(楽天)の後塵を拝し、初の本塁打王を逃している。

 確かに札幌ドームは“打者泣かせ”の球場だ。両翼100メートル、中堅122メートル、外野フェンスの高さは5.75メートルと日本屈指の広さを誇る。球場ごとの特性を数値化したパークファクターでは、毎年のように本塁打指数(本塁打が出やすいかどうか)が両リーグ最底辺であり、2017~19年の同指数(平均が1.00)は0.74。平均的な球場より30%ほど本塁打は生まれづらかった。ちなみに、1位は神宮球場(1.62)、2位が東京ドーム(1.32)、3位が横浜スタジアム(1.23)である。
 
 では果たして、中田は今季どれだけ「札幌ドームに本塁打を阻まれた」のだろうか。あくまで個人の目測、という点には留意していただきたいが、札幌ドームでの全55安打を調べた結果、中田の言う「フェンス直撃」の一打は少なくとも「9本」あった。以下がそのリストである。

【中田翔の“フェン直”試合2020】※()内は試合結果、左が日本ハムの得点
・7月17日:ロッテ戦:1回:右フェンス直撃二塁打:1打点(7対4)
・8月6日:西武戦:1回:左フェンス直撃二塁打:2打点(5対3)
・8月7日:西武戦:8回:左フェンス直撃二塁打:―(3対2)
・8月8日:西武戦:7回:右中間フェンス直撃二塁打:1打点(7対6)
・9月1日:楽天戦:6回:中フェンス直撃二塁打:―(8対1)
・9月3日:楽天戦:1回:左フェンス直撃シングル:1打点(4対0)
・9月5日:西武戦:8回:中フェンス直撃二塁打:1打点(6対2)
・10月21日:ソフトバンク戦:8回:中フェンス直撃二塁打:―(1対9)
・10月30日:オリックス戦:1回:左フェンス直撃シングル:2打点(2対3)
 
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