▶今季の総括
昨年より1つ順位を上げて2位に入ったが、決して手放しで喜べる結果ではなかった。開幕3連戦で全敗したのをはじめ、巨人に8勝16敗と大幅に負け越し、独走の要因を作ってしまった。
今季の阪神の戦いは、良くも悪くも昨年通りだった。自慢の投手陣は引き続き活躍。先発では西勇輝が11勝&防御率2.26と今年もエースの働きで、さらに秋山拓巳も規定投球回には届かなかったものの3年ぶりの2ケタ勝利(11勝)&自己最高の防御率2.89と奮闘。ジョンソンとドリスが抜けて戦力ダウンが心配されたブルペンも、ソフトバンクから新加入のスアレスがセーブ王に輝く活躍で穴を埋めた。
その一方で、チーム全体で85失策は3年連続のリーグワーストと、課題の守備難は改善されないままだった。被自責点67も両リーグ最多で、守備のミスで取りこぼす試合も多かった。この“ミスの多さ”が、巨人との最も大きな差だったと言っていいだろう。
そんな中でも、25歳の大山悠輔がチーム待望の生え抜き主砲として独り立ちしたのは大きな収穫だった。巨人の岡本和真とホームラン王争いを演じるなど、リーグ2位タイの28本塁打。阪神の生え抜きで28本塁打以上は2005年の今岡誠(29本)以来で、短縮シーズンでなければ1985年の掛布雅之(40本)、岡田彰布(35本)以来35年ぶりの、生え抜き30本到達も十分あり得た。
藤川球児が今季限りで現役を引退し、ベテランとしてチームを支えた能見篤史や福留孝介も退団と、球団は投打に世代交代を推し進めている。くすぶっている中堅どころも含めて、世代交代を促進しながら結果を残すことが来季最大のテーマになるだろう。
▶2021年のキーマン
藤浪晋太郎
来季はプロ8年目だが、まだ27歳。そのポテンシャルは誰もが知るところで、しかも生え抜きなのだから、やはり藤浪の復活を期待したいところだ。
開幕前の3月には新型コロナウイルスに感染。さらに6月には練習に遅刻して二軍降格されるなど、シーズン前には姿勢の甘さが厳しく批判された。さらに、シーズン最初の8先発は防御率5.87と序盤は不調だったが、9月下旬にリリーフに回ると、最速161キロの剛速球を連発して13試合で7ホールドと好投。10月末からは再び先発に戻り、3先発、計15イニングを自責点ゼロに抑えるなど復活の兆しを見せた。来季こそかつての輝きを取り戻し、再び虎のエースに返り咲けるか。
構成●SLUGGER編集部
昨年より1つ順位を上げて2位に入ったが、決して手放しで喜べる結果ではなかった。開幕3連戦で全敗したのをはじめ、巨人に8勝16敗と大幅に負け越し、独走の要因を作ってしまった。
今季の阪神の戦いは、良くも悪くも昨年通りだった。自慢の投手陣は引き続き活躍。先発では西勇輝が11勝&防御率2.26と今年もエースの働きで、さらに秋山拓巳も規定投球回には届かなかったものの3年ぶりの2ケタ勝利(11勝)&自己最高の防御率2.89と奮闘。ジョンソンとドリスが抜けて戦力ダウンが心配されたブルペンも、ソフトバンクから新加入のスアレスがセーブ王に輝く活躍で穴を埋めた。
その一方で、チーム全体で85失策は3年連続のリーグワーストと、課題の守備難は改善されないままだった。被自責点67も両リーグ最多で、守備のミスで取りこぼす試合も多かった。この“ミスの多さ”が、巨人との最も大きな差だったと言っていいだろう。
そんな中でも、25歳の大山悠輔がチーム待望の生え抜き主砲として独り立ちしたのは大きな収穫だった。巨人の岡本和真とホームラン王争いを演じるなど、リーグ2位タイの28本塁打。阪神の生え抜きで28本塁打以上は2005年の今岡誠(29本)以来で、短縮シーズンでなければ1985年の掛布雅之(40本)、岡田彰布(35本)以来35年ぶりの、生え抜き30本到達も十分あり得た。
藤川球児が今季限りで現役を引退し、ベテランとしてチームを支えた能見篤史や福留孝介も退団と、球団は投打に世代交代を推し進めている。くすぶっている中堅どころも含めて、世代交代を促進しながら結果を残すことが来季最大のテーマになるだろう。
▶2021年のキーマン
藤浪晋太郎
来季はプロ8年目だが、まだ27歳。そのポテンシャルは誰もが知るところで、しかも生え抜きなのだから、やはり藤浪の復活を期待したいところだ。
開幕前の3月には新型コロナウイルスに感染。さらに6月には練習に遅刻して二軍降格されるなど、シーズン前には姿勢の甘さが厳しく批判された。さらに、シーズン最初の8先発は防御率5.87と序盤は不調だったが、9月下旬にリリーフに回ると、最速161キロの剛速球を連発して13試合で7ホールドと好投。10月末からは再び先発に戻り、3先発、計15イニングを自責点ゼロに抑えるなど復活の兆しを見せた。来季こそかつての輝きを取り戻し、再び虎のエースに返り咲けるか。
構成●SLUGGER編集部