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プロ野球

MLBの専門家たちが選出した日本プロ野球の“守備職人”は?松田、菊池ら納得だが…

SLUGGER編集部

2020.12.16

松田(左)は昨年まで7年連続ゴールデン・グラブ受賞。菊池(右)も今季、503守備機会で失策ゼロと“異次元”の守備力を見せた。写真:金子拓弥(松田)、田中研治(菊池)

松田(左)は昨年まで7年連続ゴールデン・グラブ受賞。菊池(右)も今季、503守備機会で失策ゼロと“異次元”の守備力を見せた。写真:金子拓弥(松田)、田中研治(菊池)

 MLBの守備表彰には、ゴールドグラブ賞に加えて『フィールディング・バイブル賞』がある。各チームの監督とコーチによる投票で決定されるゴールドグラブとは異なり、2006年から表彰を始めた『フィールディング・バイブル賞』はセイバーメトリクスに明るい専門家によって各ポジションで両リーグ1人ずつ選出する。14年からは「マルチポジション」を新たに設け、複数のポジションをこなすユーティリティ・プレーヤーも表彰するようになった。

 12月10日、同賞を運営するデータ分析会社『Sports Info Solutions』が初めてNPB版『フィールディング・バイブル賞』を発表した。同社のアナリストを務めるダン・ケイシー氏や、共同通信記者で日本野球殿堂の投票資格を持ち、MLBのスカウトとも親交が深いジム・アレン氏ら、日本プロ野球とセイバーメトリクスの双方に明るい専門家たちが選んだのは、以下の11人だ。

投手 森下暢仁(広島)
捕手 甲斐拓也(ソフトバンク)
一塁 中島宏之(巨人)
二塁 菊池涼介(広島)
三塁 松田宣浩(ソフトバンク)
遊撃 坂本勇人(巨人)
左翼 青木宣親(ヤクルト)
中堅 近本光司(阪神)
右翼 大田泰示(日本ハム)
マルチポジション 周東佑京(ソフトバンク)
 
 甲斐や菊池、松田といった昨年のゴールデン・グラブ受賞者が含まれており、従来から守備の評価が高い選手がいる一方で、大田のようにいまだ受賞経験のない選手も含まれている。ただ、大田はセイバーメトリクス指標では毎年高い数字を残していて、今季は守備率でリーグトップ、7補殺もリーグ2位と旧来指標でも高水準。初のゴールデン・グラブ受賞が有力視されており、やはり納得の選出だ。青木も99試合で失策ゼロと堅実さを見せており、今季は11年以来9年ぶりの受賞を果たすかもしれない。

 その一方で、近本や周東の選出は『フィールディング・バイブル賞』ならではと言えるだろう。近本は旧来指標ではそれほど目立った存在ではないが、セイバーメトリクスでは高い数字が出ている。また、周東は今季、自慢の俊足を生かした広い守備範囲を武器に、二遊間や外野を守って幾度もファインプレーを見せた。

 興味深いのは遊撃手部門だ。過去3年でゴールデン・グラブを受賞し、セイバーメトリクス指標でも例年ずば抜けた数字を残している源田壮亮(西武)や、同じく広い守備範囲を誇る京田陽太(中日)ではなく坂本を選出している。京田はともかく、源田ではなく坂本を選んだのはやや意外だった。

 NPBのゴールデン・グラブ賞の受賞者は17日に発表される。『フィールディング・バイブル賞』との違いを比較してみるのも面白いかもしれない。

構成●SLUGGER編集部

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