米スポーツメディア『ジ・アスレティック』のダン・ヘイエス記者は現地時間18日、自身のツイッターにて、「日本で将来の道を切り開くため、フェルナンド・ロメロが退団となった。彼は横浜ベイスターズと契約する準備が整っている」と伝えた。まだ球団からは正式発表とはなっていないものの、DeNAに新外国人投手が加わる可能性は相当に高いようだ。
ロメロは今季までミネソタ・ツインズに所属していた25歳の右ピッチャーだ。彼が”ただ”の投手であれば話題になることはなかった。そう、”ただ”の投手ではないのだ。ロメロは2017年にMLB.comが選定した若手有望株ランキングで全体71位に選出されたほどの潜在能力の高い選手だから、今回の日本移籍が驚きを持って報じられているわけである。
ロメロはトミー・ジョン手術を経た後にパワーアップに成功し、最速100マイル(161キロ)を超え、平均でも95マイル以上(約153キロ)のストレートを最大の武器としている。そこにスライダーとチェンジアップを交える本格派で、2018年にメジャーデビューを果たし、同年は11先発で3勝3敗、防御率4.69。昨季は15登板して0勝1敗、防御率7.07という成績だった。
そこまで将来を期待された選手が、25歳という若さでなぜ日本への移籍を選んだのか。『ジ・アスレティック』は「なぜロメロと日本球団の契約を許したのか」という記事を寄稿して、その内幕を説明している。
同記事ではまず、「ツインズはロメロを先発・救援どちらもこなすことができる武器として評価していた」と切り出し、「ロメロの星は光輝いていると信じてやまなかった」と、右腕の評価の高さを説明した。しかしロメロは、今季の春季キャンプ直前にマイアミの税関でマリファナ所持によってオープン戦へ参加できず、さらにビザの取得ができなかったため、シーズンの登板はなかった。
こうしてトレード価値も減退したことから、ツインズのデレク・ファルビー編成総責任者は「彼なら間違いなくブルペンの層を厚くしてくれる戦力になり得る存在だと感じた。しかし現段階において、今年とその先の状況、さらにロメロが日本での道を探したいという望みを考慮した時に、(日本へ放出することは)この上ない組み合わせだったと感じた」と、その理由を明かしている。そしてこの“トレード”により、ツインズは30万ドル(約3100万円)を受け取る見込みだという。
同記事では、サド・ラビーンGMが「彼は我々の武器」という言葉を引用し、改めてロメロの能力の高さに触れつつも、フォームの安定性に欠けて制球力が課題としていることに危惧していたことも説明。そのため、当初は先発として育成する予定だったが、リリーフに方向転換したことを明かしている。
役割の変更に伴い、ロメロへの関心が目減りした中で、「ツインズは、日本がベストな放出先だと考えた。それにより、他球団がウェーバーで獲得するよりも多くの資金を回収できるはず」として、再起を図るロメロ自身、そしてツインズにとっても“Win-Win”な選択だと締めくくった。
今季は多くの外国人選手が来日を決めているが、ロメロはその中でも潜在能力はピカイチと言っていい。その真価を発揮することも、ロメロ自身もDeNAも切に願っているはずである。
構成●SLUGGER編集部
ロメロは今季までミネソタ・ツインズに所属していた25歳の右ピッチャーだ。彼が”ただ”の投手であれば話題になることはなかった。そう、”ただ”の投手ではないのだ。ロメロは2017年にMLB.comが選定した若手有望株ランキングで全体71位に選出されたほどの潜在能力の高い選手だから、今回の日本移籍が驚きを持って報じられているわけである。
ロメロはトミー・ジョン手術を経た後にパワーアップに成功し、最速100マイル(161キロ)を超え、平均でも95マイル以上(約153キロ)のストレートを最大の武器としている。そこにスライダーとチェンジアップを交える本格派で、2018年にメジャーデビューを果たし、同年は11先発で3勝3敗、防御率4.69。昨季は15登板して0勝1敗、防御率7.07という成績だった。
そこまで将来を期待された選手が、25歳という若さでなぜ日本への移籍を選んだのか。『ジ・アスレティック』は「なぜロメロと日本球団の契約を許したのか」という記事を寄稿して、その内幕を説明している。
同記事ではまず、「ツインズはロメロを先発・救援どちらもこなすことができる武器として評価していた」と切り出し、「ロメロの星は光輝いていると信じてやまなかった」と、右腕の評価の高さを説明した。しかしロメロは、今季の春季キャンプ直前にマイアミの税関でマリファナ所持によってオープン戦へ参加できず、さらにビザの取得ができなかったため、シーズンの登板はなかった。
こうしてトレード価値も減退したことから、ツインズのデレク・ファルビー編成総責任者は「彼なら間違いなくブルペンの層を厚くしてくれる戦力になり得る存在だと感じた。しかし現段階において、今年とその先の状況、さらにロメロが日本での道を探したいという望みを考慮した時に、(日本へ放出することは)この上ない組み合わせだったと感じた」と、その理由を明かしている。そしてこの“トレード”により、ツインズは30万ドル(約3100万円)を受け取る見込みだという。
同記事では、サド・ラビーンGMが「彼は我々の武器」という言葉を引用し、改めてロメロの能力の高さに触れつつも、フォームの安定性に欠けて制球力が課題としていることに危惧していたことも説明。そのため、当初は先発として育成する予定だったが、リリーフに方向転換したことを明かしている。
役割の変更に伴い、ロメロへの関心が目減りした中で、「ツインズは、日本がベストな放出先だと考えた。それにより、他球団がウェーバーで獲得するよりも多くの資金を回収できるはず」として、再起を図るロメロ自身、そしてツインズにとっても“Win-Win”な選択だと締めくくった。
今季は多くの外国人選手が来日を決めているが、ロメロはその中でも潜在能力はピカイチと言っていい。その真価を発揮することも、ロメロ自身もDeNAも切に願っているはずである。
構成●SLUGGER編集部