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プロ野球

DeNA・佐野恵太のブレイクは必然だった。首位打者の陰にある入念な「準備」で“ラミレス理論”を体現

萩原孝弘

2020.12.19

昨季までは準レギュラーに過ぎなかった佐野だが、日々の弛まぬ努力によって大ブレイクを果たした。写真:萩原孝弘

昨季までは準レギュラーに過ぎなかった佐野だが、日々の弛まぬ努力によって大ブレイクを果たした。写真:萩原孝弘

 落語や相撲の世界では、一足飛びに階級や番付を上げることを「~人抜き」と表現する。

 佐野恵太は2016年ドラフトのDeNA9位、全体では84番目の指名。つまり、プロ入り時の番付で言えば序ノ口に過ぎなかった。しかしプロ4年目を迎えた今季、8月に月間MVPを受賞すると、球団タイ記録の5試合連続ホームラン、さらには首位打者のタイトルを獲得し、セ・リーグのベストナインにも輝いた。しかも、筒香嘉智の抜けた“4番・キャプテン”の重責を担いながら、である。佐野の野球界での番付がどれだけ上がったのか計り知れない。

 昨季は、プロ1~2年目に課題とした得点圏でのバッティングと対左投手の成績を改善させた。開幕時は代打で無類の勝負強さを見せ、左腕にも夏場にかけて結果を出し始めると、徐々にスタメン起用は増していった。「約200打席立って、課題も明確になり秋季キャンプに臨めたので、よりバッティングを向上して来季に挑む」と決心したオフを経て、不動の4番、そしてキャプテンとして2020年の飛躍へとつなげた。
 
  ブレイクスルーの裏には、日々の入念な「準備」がある。
 
「一日の終わりに、その日の反省をしっかりして次の日に向けて作業を毎日する。その日の調子を書き留めて、悪ければ調整、良ければ維持できるように」と、試合後に頭と身体をリセット。実際、試合後に照明の半減した横浜スタジアムのグラウンドで、佐野が黙々とバットを振り続ける姿を幾度となく目撃した。

 連戦の続く異例のシーズンにも、前日からの体調やデータ、調子などを整理した。周到な「準備」をすることで、試合やバッターボックスにもスムーズに入れ、積極的に力強いスウィングすることが可能となった。初球打ちの打率は.474、5本塁打と、どのカウントよりも高い数字を残し、打者優位のカウントでは最も低くても.333、トータルでは.419と高打率をマーク。追い込まれる前に自分のスウィングを心がけることで結果を出す、“ラミレス理論”がドンピシャとハマった形となった。

 初めて託されたキャプテンの座。結果的に今季のターニングポイントとなった、3連敗を喫した9月1日からの巨人戦。佐野は「アクションを起こせなかった。強いチームのキャプテンならやっているだろう」と、尻込みしたことを悔いた。来年は「迷ったら行動に移したい」と、遠慮せずにチームを牽引する意気込みを見せている。 背番号も44から7に変更され、ますますチームの核としての期待が高まるばかりだ。

「昨日より今日、今日より明日、少しでも野球が上手くなりたい」

 純粋に野球が好きな心と、弛まぬ「準備」を続ける才能を武器に、佐野は“球界の番付表”をとことん登り詰めていく。

取材・文 ・写真●萩原孝弘
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