プロ野球

【2020主力選手通信簿|オリックス】タイトルホルダーの山本、吉田はもちろん「よくできました」。一方、超大物助っ人ジョーンズは…

シュバルベ

2020.12.25

打率.350を記録して初の首位打者に輝いた吉田正。当然、ベストナインにも選ばれている。写真:滝川敏之

 全12球団の主力選手の2020年シーズンを5段階の通信簿形式で振り返っていく。評価は各選手のこれまでの実績や期待値も踏まえて査定した。

※評価:よくできました(A)、まずまずです(B)、可もなく不可もなく(C)、がんばりましょう(D)、ガッカリです(E)

【投手】
★投のMVP★
●山本由伸
[試合]18 [勝敗]8-4 [防御率]2.20
[投球回]126.2 [奪三振]149
評価:よくできました(A)
最優秀防御率のタイトルは逃したものの、149奪三振はリーグトップタイ。1試合平均7イニングの登板、QS率77%と高いレベルで安定したピッチングを見せた。上半身のコンディション不良で登録抹消もあったが、普通に投げれば"日本のエース"という圧巻のシーズンだった。

●田嶋大樹
[試合]20 [勝敗]4-6 [防御率]4.05
[投球回]122.1 [奪三振]89
評価:まずまずです(B)
初めて規定投球回に到達し、チーム最多の20先発充実のシーズンとなった。リーグ規定到達者で唯一の左腕で、同じくローテーションに入った山﨑福也とともに今後のオリックスの左腕育成に道筋を立てた点も◎。

●アルバース
[試合]16 [勝敗]4-8 [防御率]3.94
[投球回]89.0 [奪三振]66
評価:可もなく不可もなく(C)
昨年に比べれば防御率は良化したものの安定感を欠き、QS率は50%を下回った。最長イニングは7回で、1先発当たりの平均投球回は5.6イニングと、役割を果たしきれなかった。

●山﨑福也
[試合]15 [勝敗]5-5 [防御率]4.50
[投球回]84.0 [奪三振]46
評価:まずまずです(B)
先発と中継ぎで立ち位置が決まらずくすぶっていた15年ドラフト1位左腕が、ついに先発としてほぼシーズンを完走しチーム2位の5勝。マネーピッチのカーブを武器にゴロを打たせて取るピッチングがはまった。

●山岡泰輔
[試合]12 [勝敗]4-5 [防御率]2.60
[投球回]69.1 [奪三振]64
評価:可もなく不可もなく(C)
山本とのダブルエースを期待され、開幕投手を務めたが、2登板目で脇腹を痛めて離脱。チームにとって大きな痛手だった。故障と体重減の二重苦でフォームの変更を迫られながらも8月下旬の復帰から4勝を挙げたのはさすが。

●張奕
[試合]13 [勝敗]2-4 [防御率]4.31
[投球回]48.0 [奪三振]46
評価:可もなく不可もなく(C)
先発の一角として期待されたが、右ヒジ痛で出遅れて初登板は8月13日。2勝を挙げたものの、QS達成は9先発中2試合と安定感に欠けた。9イニング当たりの奪三振数は8.63と優秀で、シーズン終盤は中継ぎ起用も。
 
●榊原翼
[試合]9 [勝敗]1-4 [防御率]5.19
[投球回]43.1 [奪三振]31
評価:がんばりましょう(D)
昨年は79イニングを投げて3勝、防御率2.72と好投し、ローテーション定着が期待されたが、大きく裏切ってしまった。43イニングで39四球と問題は明確。メンタルの課題にも向き合い来季に懸ける。

●増井浩俊
[試合]16 [勝敗]2-2 [防御率]3.03
[投球回]35.2 [奪三振]29
評価:がんばりましょう(D)
球速の低下に伴う奪三振率の悪化でリリーフとしては厳しくなったが、シーズン途中から2016年以来の先発に再転向して5試合で2勝、防御率2.77と奮闘。先発ではスライダーやカーブも使い新境地を開きつつある。

●山田修義
[試合]48 [勝敗]4-5 [ホールド]18 
[防御率]3.89 [投球回]39.1 [奪三振]44
評価:まずまずです(B)
チーム最多の48試合に登板。高い奪三振能力に加え、被本塁打を1本のみに抑えるなど防御率以上に投球内容は良かった。回またぎからワンポイントまで幅広くこなしたことも含め、貢献度は高かった。

●吉田凌
[試合]35 [勝敗]2-2 [防御率]2.17
[投球回]29.0 [奪三振]33
評価:まずまずです(B)
2種類を投げ分け、投球の半分以上を占めるスライダーを武器にイニング以上の奪三振を記録。昨季までなかなか芽が出ず、高卒5年目の今季は勝負の一年だったが、中継ぎとして立ち位置を確立できた。

●ヒギンス
[試合]41 [勝敗]3-3 [ホールド]19
[防御率]2.40 [投球回]41.1 [奪三振]45
評価:よくできました(A)
来日1年目でチーム最多タイの22ホールドポイント。"爆速"ストレートと"魔球"チェンジアップでイニング以上の三振を奪うなど、昨年チームが固定できなかったセットアッパーの役割を果たした。

●ディクソン
[試合]39 [勝敗]0-4 [セーブ]16
[防御率]3.28[投球回]35.2 [奪三振]32
評価:可もなく不可もなく(C)
クローザーである以上、4敗はいただけない。直球とナックルカーブのどちらかが決まらない日は苦しい投球を重ね、以前と比べて三振が取れなくなっている点も気がかり。来シーズンは漆原ら若手との競争になりそうだ。