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プロ野球

オリックス“声出し番長”のトンデモ査定要求、選手の希望額を事前調査した金やん――契約更改の仰天交渉術

筒居一孝(SLUGGER編集部)

2020.12.24

明るいキャラクターからムードメーカーとして活躍した下山。現在はオリックスでスカウトを務める。写真:産経新聞社

明るいキャラクターからムードメーカーとして活躍した下山。現在はオリックスでスカウトを務める。写真:産経新聞社

 プロ野球は契約更改の真っ只中で、各チームの球団事務所では白熱した交渉が展開されている。ここでは、かつて実際に存在した契約更改交渉のドラマをいくつか紹介しよう。

▼“声出し番長”が「声出し料」に「ブログ査定」を要求?
 今季のオリックスは大下誠一郎が声出しでチームを盛り上げて話題となったが、かつてのオリックスにはそれ以上の“声出し番長”がいた。2005年に近鉄と合併した時に、選手分配ドラフトで入団した外野手の下山真二だ。この年、下山は代走や守備固めが主な役割だったが、ベンチからチームメイトへ懸命に声援を送り、大声を出しすぎて喉にポリープができたほど。このことから下山は、オフの契約更改で”声出し料”を要求。何とこれが認められて、出場58試合、打率.230という成績にもかかわらず300万円アップの年俸1880万円を勝ち取った。
 
 なお、これには後日談がある。3年後の08年、下山は見事ライトのレギュラーに定着して自己最多の123試合に出場し、初の2ケタ本塁打(10本)に到達した。球団はこの活躍を評価して、1700万円アップの4300万円を提示したのだが、下山はさらなる年俸アップを求めた。その根拠として、月平均11万PVを叩き出した自身のブログの人気ぶりをアピールし、”ブログ査定”を要求したのである。だが、この時ばかりは球団も「そうした要素も含めての査定」と要求を突っぱね、それ以上のアップはなし。1度は保留した下山も、2回目の交渉でサインした。
 

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