「球春到来」。2月1日、2021シーズンのプロ野球キャンプがスタートする。コロナ禍でまだまだ不透明なところも多いが、この時点は全球団が“横一線”、どのチームも優勝のチャンスがある。だからこそ、春季キャンプではそれぞれの「長所」と「課題」をいかに伸ばし、解決していくのかがカギを握る。各球団の“見どころ”を探っていこう!
●再び発生した5番問題
ヤクルトは2年連続最下位に沈んだこともあり、このオフに大きく動いた。野手ではMLB通算77発のサンタナ、同24発のオスナを補強。さらには球界屈指の安打製造機である内川聖一を迎え入れた。
しかし、新型コロナウイルスの影響で新外国人選手の来日が不透明な状況。補強で解決したかにみえた4番・村上宗隆の後ろ、すなわち「5番」が再び空席となってしまった。開幕には間に合う可能性もあるが、チームとしては不測の事態に備える必要がある。
万が一の場合、昨年の開幕戦で5番を務めた塩見泰隆、パンチ力が売りの中山翔太、そして経験に勝る内川が候補になるだろう。
もし内川を起用するとなれば、村上は必然的に三塁に回ることになる。高津臣吾監督は村上の一塁固定を明言したが、新外国人選手の来日のめどが立たなければ、前言を撤回する可能性がないとは言いきれない。
そう考えると5番という打順だけでなく守備位置も含めての争いになりそうだ。3人をはじめとする候補者たちが、外国人選手たちを脅かすアピールができれば戦力の厚みは増す。
●木澤、山野が先発ローテーション入りへ虎視眈々
投手陣のみどころは、先発ローテーション争いだ。現時点でほぼ当確なのは、開幕投手候補ナンバー1の小川泰弘と3年目を迎えるスアレスの2人だけ。新外国人のサイスニードは、現時点で来日のめどが立っておらず計算できない。
3番手以降は大卒2年目の吉田大喜に高梨裕稔。そして高橋奎二に20年目の大ベテラン石川雅規、先発再挑戦の寺島成輝と左腕3人や歳内宏明らがつづくも、決め手に欠けているのが実情だ。
そんな混沌としている先発ローテーション争いに加わってきそうなのが、ドラフト1位の木澤尚文と同2位の山野太一である。すでに木澤は新人合同自主トレでも140キロ台後半の球を投げ込んでおり万全だ。一方の山野は、「1年目からチームの柱になりたい」と意気込みが感じられる。
そして忘れてはいけないのが、初の一軍スタートとなった2019年のドラフト1位・奥川恭伸である。高津監督は、「参加するだけでいろいろ学べる。経験させてあげたい」と語っており、一軍スタートは”体験入部”の意味合いが強い。昨年同様に無理はさせない方針だが、予想以上の成長を見せることができれば、チャンスはありそうだ。
春季キャンプ、オープン戦と続く先発ローテーションの6枠をかけて争うサバイバルレース。昨年までの実績者にフレッシュな若手が挑んでいく構図は楽しみだ。
取材・文●勝田聡
【著者プロフィール】
かつた・さとし/1979年生まれ、東京都出身。人材派遣業界、食品業界で従事し30代後半で独立。プロ野球、独立リーグ、MLBなど年間100試合ほど現地観戦を行っている。2016年から神宮球場でのヤクルト戦を全試合観戦中。
【ヤクルトPHOTO】「NEVER STOP 突き進め!」無観客試合でも元気ハツラツにプレーするナイン!
●再び発生した5番問題
ヤクルトは2年連続最下位に沈んだこともあり、このオフに大きく動いた。野手ではMLB通算77発のサンタナ、同24発のオスナを補強。さらには球界屈指の安打製造機である内川聖一を迎え入れた。
しかし、新型コロナウイルスの影響で新外国人選手の来日が不透明な状況。補強で解決したかにみえた4番・村上宗隆の後ろ、すなわち「5番」が再び空席となってしまった。開幕には間に合う可能性もあるが、チームとしては不測の事態に備える必要がある。
万が一の場合、昨年の開幕戦で5番を務めた塩見泰隆、パンチ力が売りの中山翔太、そして経験に勝る内川が候補になるだろう。
もし内川を起用するとなれば、村上は必然的に三塁に回ることになる。高津臣吾監督は村上の一塁固定を明言したが、新外国人選手の来日のめどが立たなければ、前言を撤回する可能性がないとは言いきれない。
そう考えると5番という打順だけでなく守備位置も含めての争いになりそうだ。3人をはじめとする候補者たちが、外国人選手たちを脅かすアピールができれば戦力の厚みは増す。
●木澤、山野が先発ローテーション入りへ虎視眈々
投手陣のみどころは、先発ローテーション争いだ。現時点でほぼ当確なのは、開幕投手候補ナンバー1の小川泰弘と3年目を迎えるスアレスの2人だけ。新外国人のサイスニードは、現時点で来日のめどが立っておらず計算できない。
3番手以降は大卒2年目の吉田大喜に高梨裕稔。そして高橋奎二に20年目の大ベテラン石川雅規、先発再挑戦の寺島成輝と左腕3人や歳内宏明らがつづくも、決め手に欠けているのが実情だ。
そんな混沌としている先発ローテーション争いに加わってきそうなのが、ドラフト1位の木澤尚文と同2位の山野太一である。すでに木澤は新人合同自主トレでも140キロ台後半の球を投げ込んでおり万全だ。一方の山野は、「1年目からチームの柱になりたい」と意気込みが感じられる。
そして忘れてはいけないのが、初の一軍スタートとなった2019年のドラフト1位・奥川恭伸である。高津監督は、「参加するだけでいろいろ学べる。経験させてあげたい」と語っており、一軍スタートは”体験入部”の意味合いが強い。昨年同様に無理はさせない方針だが、予想以上の成長を見せることができれば、チャンスはありそうだ。
春季キャンプ、オープン戦と続く先発ローテーションの6枠をかけて争うサバイバルレース。昨年までの実績者にフレッシュな若手が挑んでいく構図は楽しみだ。
取材・文●勝田聡
【著者プロフィール】
かつた・さとし/1979年生まれ、東京都出身。人材派遣業界、食品業界で従事し30代後半で独立。プロ野球、独立リーグ、MLBなど年間100試合ほど現地観戦を行っている。2016年から神宮球場でのヤクルト戦を全試合観戦中。
【ヤクルトPHOTO】「NEVER STOP 突き進め!」無観客試合でも元気ハツラツにプレーするナイン!