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プロ野球

「V5」へ向けて激化するチーム内競争。松田ら主力野手陣の高齢化は目立つが…【キャンプ注目ポイント|ソフトバンク】〈SLUGGER〉

上杉あずさ

2021.01.29

プロ16年目のシーズンを迎える松田。「V5」へ向けてチーム内では熾烈な競争が繰り広げられる。写真:塚本凜平(THE DIGEST写真部)

プロ16年目のシーズンを迎える松田。「V5」へ向けてチーム内では熾烈な競争が繰り広げられる。写真:塚本凜平(THE DIGEST写真部)

「球春到来」。2月1日、2021シーズンのプロ野球キャンプがスタートする。コロナ禍でまだまだ不透明なところも多いが、この時点は全球団が“横一線“、どのチームも優勝のチャンスがある。だからこそ、春季キャンプではそれぞれの「長所」と「課題」をいかに伸ばして、解決していくのかがカギを握る。各球団の“見どころ“を探っていこう!

●レギュラー野手陣の“高齢化“にどう向き合うか

 4年連続日本一に浸る間もなく、孫正義オーナーから「5連覇」指令を受けたホークスは、さらななる高みへ突き進む。選手層が厚いと言われる中でも、課題とされるのがレギュラー野手陣の“高齢化“だ。特に「ポスト松田宣浩」を求める声は多く聞かれる。近年ドラフトでは毎年、松田の後釜候補獲得に乗り出しているが、すぐに1軍の戦力とはいかない。何より、その松田はすこぶる元気。プレーのみならず声による牽引力は圧巻だ。

 藤本博史2軍監督も、「本当の意味でマッチが危機感を感じるようにならないと」と若手の底上げを目指す。増田珠、野村大樹、リチャードら将来を渇望される若鷹がどこまで成長しているのかも気になるところだ。昨季、打力を生かして台頭した栗原陵矢も三塁挑戦を命じられた。元々捕手登録ながら、「とにかく1軍で試合に出たい」と一塁にも外野にも挑戦してきた。がむしゃらさが昨季の結果に結びついた分、三塁手としての奮闘にも期待がかかる。
 
●上林誠知は復活なるか

 また、その栗原が昨季多く守った右翼のポジション奪還へと燃える上林誠知の復活からも目が離せない。2018年に全試合出場しレギュラー定着かと思われたが、ここ2年は打率1割台と不甲斐ないシーズンが続いた。

 現状を打開しようと、今オフ米大リーグ・レッズの秋山翔吾に弟子入り。完璧主義でストイックな上林だからこそ、技術面のみならず精神面の課題も克服できれば、ホークスの鉄壁外野手陣の一角を担えるはずだ。柳田悠岐、中村晃、グラシアルとレギュラー層の壁は厚いが、チームの底上げには欠かせないピースである。

●激戦必至の先発ローテ争い

 先発投手陣は東浜巨、千賀滉大、石川柊太、ベテラン和田毅と頼れる4枚の存在は大きい。昨季、中継ぎでフル回転した高橋礼も今季は先発再転向を目指す。バンデンハーク、ムーアの退団は残念だが、新助っ人コリン・レイの加入や若手の成長も楽しみだ。

 昨季プロ初勝利含む4勝を挙げた笠谷俊介は、初の先発ローテ入りを狙う。同じ左腕では、2軍で投手3冠の大竹耕太郎も当然その場所を目指す。実績組では武田翔太も控える。「第2先発」的要素も踏まえると更に候補者名が挙がり、激戦は必至だ。

 キャンプは戦いの幕開け。V10を掲げるチームに保障された場所などない。

文●上杉あずさ

【著者プロフィール】
ワタナベエンターテインメント所属。RKBラジオ「ホークス&スポーツ」パーソナリティやJ:COM九州「ガンガンホークス CHECK!GO!」リポーターとしてホークスを1軍から3軍まで取材。趣味はアマチュア野球観戦。草野球チーム「福岡ハードバンクポークス」の選手兼任監督を務める。
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