プロ野球

根尾が京田から正遊撃手を奪えるか?エース大野に次ぐ選手の台頭は?【キャンプ注目ポイント|中日】〈SLUGGER〉

ロバートさん

2021.01.29

遊撃手へのこだわりを見せる根尾。京田を退ける活躍が戦力の底上げとなる。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

「球春到来」。2月1日、2021シーズンのプロ野球キャンプがスタートする。コロナ禍でまだまだ不透明なところも多いが、この時点は全球団が"横一線"、どのチームも優勝のチャンスがある。だからこそ、春季キャンプではそれぞれの「長所」と「課題」をいかに伸ばし、解決していくのかがカギを握る。各球団の"見どころ"を探っていこう!

 10年ぶりのリーグ優勝を狙う今季の中日にとって、春季キャンプは「戦力の底上げ」を果たすために例年以上に重要なものになる。新戦力としての期待が懸かる、新外国人選手・ガーバーやロサリオらの入国が未だ不透明なままだからだ。戦力の底上げに繋がる、3つの注目ポイントを以下に挙げてみたい。

●正遊撃手・京田に挑戦する根尾

 まず楽しみなのは、ショートへの強いこだわりを見せる根尾昂が、一軍首脳陣に対してどこまでアピールできるかという点だ。ショートには名手・京田陽太が君臨しており、昨季はチームで唯一全試合出場を果たしている。一方の根尾は二軍では二遊間中心に守ったものの、一軍では外野メインの起用に留まった。守備力では京田に太刀打ちできないだけに、打撃で目立つことが重要になる。根尾にとっては、紅白戦から結果が求められるキャンプになりそうだ。

●熾烈な外野両翼のレギュラー争い

 新助っ人ガーバーの来日に目処が立たないこともあり、外野両翼のレギュラー争いが混沌としている。昨季はアルモンテ、平田良介、福田永将と主力選手が相次いで離脱し、打撃重視のポジションに穴が空いたことが得点力不足の一因となった。今年は、平田の4年ぶりとなる一軍キャンプスタートが発表済み。さらに武田健吾、滝野要、伊藤康祐、岡林勇希といった若手に加え、ドラフト6位ルーキーの三好大倫も競争に加わる。内外野をこなす石垣雅海もここに割って入るようだと、アピール合戦はより面白くなるだろう。
 
●大野雄大に続け! 若手左腕3人に注目

 昨季、自身初の沢村賞を受賞した大野雄の背中を追いかける小笠原慎之介、笠原祥太郎、橋本侑樹の3人のアピールにも注目したい。3人の共通点は、昨季は一軍戦力として機能できなかったこと、そしてオフに大野雄の影響を大きく受けた点。小笠原は志願して大野雄との自主トレに参加し、多くの助言を授かった。笠原と橋本は大野雄のツーシームを参考に新球の習得を目指す。左の先発投手は手薄なだけに、エースの薫陶を受けた彼らの台頭に期待したい。

文●ロバートさん

【著者プロフィール】
1988年生まれ。Twitterにて中日ドラゴンズの戦力分析・考察を行う中日ファン。中日新聞プラスにて「データで考える中日ドラゴンズ」を連載中。Twitterは@robertsan_CD
 
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【動画】左翼から好返球を見せた昨季の根尾のプレー