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プロ野球

最重点課題は‘’内野守備の強化‘’。伊藤ら一軍スタートの新人が尻に火をつける存在となるか?【キャンプ注目ポイント|日本ハム】〈SLUGGER〉

出野哲也

2021.01.30

プロ6年目を迎える平沼。チームの2年連続5位から巻き返しを狙うためにもキャンプで存在感を見せたいところ。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

プロ6年目を迎える平沼。チームの2年連続5位から巻き返しを狙うためにもキャンプで存在感を見せたいところ。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

「球春到来」。2月1日、2021シーズンのプロ野球キャンプがスタートする。コロナ禍でまだまだ不透明なところも多いが、この時点は全球団が“横一線“、どのチームも優勝のチャンスがある。だからこそ、春季キャンプではそれぞれの「長所」と「課題」をいかに伸ばし、解決していくのかがカギを握る。各球団の“見どころ“を探っていこう!

●若手を鍛えて内野守備を向上

 昨年5位と低迷した最大の原因は内野守備の拙さにあった。失策数、併殺完成数、非自責点がすべてリーグ最下位だったのではどうにもならない。金子誠、飯山裕志と現役時代は名手だった両コーチが指導しながらこの体たらくとあって、当然キャンプでの最重点課題である。

 そのターゲットは、これからのチームを背負うべき若手選手だ。清宮幸太郎は63試合で7失策という、一塁手としては到底許容できない数字。三塁の野村佑希に至っては20試合で7失策。143試合フルに出ていたら50失策していた計算になる。近未来の主軸と期待される2人だが、これではいくら打ってもその分を吐き出してしまう。もちろん彼らにも自覚はあって、野村は捕球しやすい新しいグラブを手に入れ、自主トレでも飯山コーチ作成の強化メニューをこなしたとのこと。その成果をキャンプでの練習および実戦で確認したい。

 二遊間の渡邊諒と平沼翔太の守備も安定感に乏しく、併殺の完成度を上げるには2人の呼吸を合わせるのが第一歩とあって、オフも自主トレは合同で行っていた。1000本ノックとまでは言わないが、そのくらい厳しい姿勢でこの4選手の守備力を徹底的に鍛え上げる必要がある。
 
●一軍スタートの新人4人は結果を残せるか

 ところで、ドラフトで指名した大学・社会人出身者は1位の伊藤大海だけでなく、育成指名を除く4人全員が一軍キャンプスタートとなった。それだけの実力を備えていると見込まれているからではあるが、理由は他にもありそうだ。例えば2位の五十幡亮汰は左打ちのセンターである淺間大基、6位の今川優馬は(選手としてのタイプは違えど)同じ右の外野手である松本剛の出場機会を奪いかねない。つまり、能力はありながら停滞の続く選手たちの尻に火をつける存在になりうるのだ。

 こうした観点で一番の注目は3位で入団した捕手の古川裕大。こちらも清水優心と同世代、宇佐見真吾とは左打ちという共通点がある。日本ハム捕手陣は攻守両面でリーグ最低レベルだったので、古川が前評判通りの力を発揮すれば一気に正捕手候補に躍り出るかもしれないし、少なくとも清水と宇佐見の危機感を煽ってもらいたい。そのようにして現有戦力と新人たちが刺激し合い、チーム全体が底上げされるキャンプになれば理想的だ。

取材・文●出野哲也
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