「球春到来」。2月1日、2021シーズンのプロ野球キャンプがスタートする。コロナ禍でまだまだ不透明なところも多いが、この時点は全球団が“横一線“、どのチームも優勝のチャンスがある。だからこそ、春季キャンプではそれぞれの「長所」と「課題」をいかに伸ばし、解決していくのかがカギを握る。各球団の“見どころ“を探っていこう!
●朗希と千隼”ダブル佐々木”の開花なるか?
昨年、リーグ2位へと大きな躍進を遂げたロッテ。周囲の期待も今まで以上に高まる今年の石垣キャンプだったが、コロナ禍にあって早々に無観客開催が決定。今年の石垣島は、落ち着いた2週間となりそうだ。
そんなロッテキャンプ。今年も注目すべきは、やはり佐々木朗希であろう。
昨年はキャンプからシーズン最後まで一軍に帯同。実戦登板はなかったが、一軍での調整法などを直に体感しながら、プロで戦える体作りをじっくり行ってきた。160キロを計測した昨年5月26日のシート打撃以降、公の場でそのポテンシャルを見せてこなかった佐々木朗希。大きくなったと言われる体格から繰り出されるボールが、一体どんなものになっているのか。
その佐々木朗希を含めた、今季のロッテ先発投手候補。私は”もう一人の佐々木”、佐々木千隼に注目したい。
右ひじ手術から一昨年、復活勝利を果たすも、昨年春に右肩を故障。一軍登板5試合で防御率8.31を不本意なシーズンを送った。しかし11月9日。フェニックスリーグの巨人戦では、キレのあるストレートと変化球で各打者を翻弄。5者連続三振を含め、2回を一人も走者を許さない完璧な投球で復調を覆いにアピール。”ダブル佐々木”が一軍戦力になるようなら、さらに投手陣は厚みを増すだろう。
【PHOTO】集まる視線に緊張気味?期待のルーキー”佐々木朗希”が2020キャンプイン! ●松中信彦臨時コーチの指導に期待
一方、打撃陣の課題は多い。リーグ2位になったもののチーム打率、安打数、得点、得点圏打率がリーグワーストと厳しい結果となった。
今キャンプではそのテコ入れとして、”平成の三冠王”、元ソフトバンク・松中信彦氏を臨時打撃コーチとして招へい。昨年、一軍で大きな経験を積むことができた3年目・安田尚憲や、2年目・藤原恭大ら、期待の左打者たちに対して、左打者だった松中氏がどんな指導をしていくのか。
井口監督が「全ポジション競争」と明言しているように、今年の石垣キャンプは激戦必至のポジション争いの場となることが予想される。井上晴哉、中村奨吾、藤岡裕大、田村龍弘ら、井口監督1年目からレギュラー起用されてきた選手たちも例外ではないだろう。去年、打撃で結果を残せなかった彼らの奮起も見所の一つになってくる。
キャンプが無観客になり、直接その姿を見ることはかなわない。しかし、ひたむきに野球と向き合い、チーム内競争に打ち勝った選手たちが、オープン戦、そしてレギュラーシーズンで躍動する姿を想像しながら、本当の球春が到来する時を静かに待ちたい。
文●岩国誠
【著者プロフィール】
いわくに・まこと/1973年生まれ。プロ野球のニュース番組制作に携わるTV映像ディレクター。一時は球団公式SNS用動画制作やパ・リーグTVでの制作・配信を担当。その縁からフリーライターとして、webメディアでのプロ野球記事の執筆を始める。また、舞台俳優としての経験を生かして、野球イベントなどの運営や進行役など、幅広い活動を行っている。
●朗希と千隼”ダブル佐々木”の開花なるか?
昨年、リーグ2位へと大きな躍進を遂げたロッテ。周囲の期待も今まで以上に高まる今年の石垣キャンプだったが、コロナ禍にあって早々に無観客開催が決定。今年の石垣島は、落ち着いた2週間となりそうだ。
そんなロッテキャンプ。今年も注目すべきは、やはり佐々木朗希であろう。
昨年はキャンプからシーズン最後まで一軍に帯同。実戦登板はなかったが、一軍での調整法などを直に体感しながら、プロで戦える体作りをじっくり行ってきた。160キロを計測した昨年5月26日のシート打撃以降、公の場でそのポテンシャルを見せてこなかった佐々木朗希。大きくなったと言われる体格から繰り出されるボールが、一体どんなものになっているのか。
その佐々木朗希を含めた、今季のロッテ先発投手候補。私は”もう一人の佐々木”、佐々木千隼に注目したい。
右ひじ手術から一昨年、復活勝利を果たすも、昨年春に右肩を故障。一軍登板5試合で防御率8.31を不本意なシーズンを送った。しかし11月9日。フェニックスリーグの巨人戦では、キレのあるストレートと変化球で各打者を翻弄。5者連続三振を含め、2回を一人も走者を許さない完璧な投球で復調を覆いにアピール。”ダブル佐々木”が一軍戦力になるようなら、さらに投手陣は厚みを増すだろう。
【PHOTO】集まる視線に緊張気味?期待のルーキー”佐々木朗希”が2020キャンプイン! ●松中信彦臨時コーチの指導に期待
一方、打撃陣の課題は多い。リーグ2位になったもののチーム打率、安打数、得点、得点圏打率がリーグワーストと厳しい結果となった。
今キャンプではそのテコ入れとして、”平成の三冠王”、元ソフトバンク・松中信彦氏を臨時打撃コーチとして招へい。昨年、一軍で大きな経験を積むことができた3年目・安田尚憲や、2年目・藤原恭大ら、期待の左打者たちに対して、左打者だった松中氏がどんな指導をしていくのか。
井口監督が「全ポジション競争」と明言しているように、今年の石垣キャンプは激戦必至のポジション争いの場となることが予想される。井上晴哉、中村奨吾、藤岡裕大、田村龍弘ら、井口監督1年目からレギュラー起用されてきた選手たちも例外ではないだろう。去年、打撃で結果を残せなかった彼らの奮起も見所の一つになってくる。
キャンプが無観客になり、直接その姿を見ることはかなわない。しかし、ひたむきに野球と向き合い、チーム内競争に打ち勝った選手たちが、オープン戦、そしてレギュラーシーズンで躍動する姿を想像しながら、本当の球春が到来する時を静かに待ちたい。
文●岩国誠
【著者プロフィール】
いわくに・まこと/1973年生まれ。プロ野球のニュース番組制作に携わるTV映像ディレクター。一時は球団公式SNS用動画制作やパ・リーグTVでの制作・配信を担当。その縁からフリーライターとして、webメディアでのプロ野球記事の執筆を始める。また、舞台俳優としての経験を生かして、野球イベントなどの運営や進行役など、幅広い活動を行っている。