プロ野球

「勢いがあるな」ロッテのドライチ鈴木昭汰をスコアラー陣が高評価。雨中のブルペンでは珍しいシーンも<SLUGGER>

岩国誠

2021.02.14

鈴木はクイックモーションでの投球も惜しみなく披露した。写真:岩国誠

 ロッテは14日、沖縄・浦添市にてヤクルトとの練習試合を予定していたが、激しい雨のため中止となった。

 前日は荒天の中、今季初の実戦を行ったロッテ。多くのミスもあって、残念ながら黒星スタートとなったが「ミスを反省しながら、一つひとつしっかりと次に生かしていければ」と、井口資仁監督が語っていたように、それぞれが課題に向き合うべく、球場入りした。

 しかし、チームバスが到着して間もなく、激しい雨に見舞われ、グラウンドは水浸しに。午前10時40分過ぎ、ヤクルト球団から中止が伝えられ、室内練習場を借りてのチーム練習を行った。

 野手陣は石垣キャンプ後も帯同している松中信彦臨時打撃コーチが、藤原恭大、安田尚憲ら強化指定選手のほか、この日は遊撃のレギュラー生き残りをかける藤岡裕大を熱心に指導。左足を後ろからゴムチューブで引っ張りながらのティー打撃で、軸足にしっかり体重を乗せ、強い打球を打つ意識を持たせる練習を行っていた。
 
 室内練習場のすぐ隣にあるブルペンでは「2時間、ひとり1000円で借りてるからあんまり長くやらないでね」という、吉井理人投手コーチの軽いジョークを合図に、各投手が投球を始める。それぞれの課題と向き合いながら、1球1球投げ込みを行っていた。

 この日先発予定だった大嶺祐太が変化球を交えながら51球。1軍先発ローテーション入りを狙う佐々木千隼も変化球を交えながら60球以上、各球団のスコアラーが見つめる中、それぞれ捕手を座らせて、力のこもった投球を見せていた。

 ますます雨が激しくなる中、ブルペンに姿を見せたのはロッテ、今年のドラフト1位ルーキー・鈴木昭汰。捕手の柿沼友哉を相手にまずは立ち投げで10球程度。カーブを交えながら1球1球しっかり投じた。準備が整うと柿沼は座ってミットを構える。ルーキー左腕は、グローブを大きく頭上に掲げると、ワインドアップモーションでの投球を開始した。

 投球を重ねていくごとに、その球威は勢いを増す。「勢いがあるな」「まとまっている」など、視察に訪れたスコアラーから、口々の感想がこぼれていた。

 途中からはスライダー、カーブ、チェンジアップなど変化球を交えると、最後のあたりはクイックモーションでの投球も惜しみなく披露し、40球ほどでこの日の投球を終えた。11日の紅白戦での登板は流れてしまったが、次回実戦登板へ、期待が高まる内容だった。