プロ野球

開幕1軍争いへ、巨人那覇キャンプスタート!原辰徳監督「フラットに見ていく」

岩国誠

2021.02.16

原監督はレギュラー争いについて「やはり実力至上主義。その1点」と語った。写真:岩国誠

 巨人は16日、一軍本隊が宮崎キャンプから沖縄・セルラースタジアム那覇入り。この地でキャンプを張っていたS班と合流し、総勢40名による開幕一軍入りをかけた沖縄キャンプが始まった。

 沖縄キャンプ恒例となっている沖宮への参拝を終えると、9時半からメイン球場グラウンドにて、全体練習がスタート。ウォーミングアップの後に、S班中心のA班はメイン球場・宮崎組のB班はサブグラウンドに分かれて、キャッチボールと投内連携を行なった。

 それが終わると、B班の野手陣はシートノックに参加するため、再びメイン球場へ。この日、正式に支配下登録が発表された八百板卓丸や、紅白戦で存在感を見せつけ、沖縄行きの切符を掴んだ身長2メートルの高卒ルーキー・秋広優人らが、慌ただしく移動していた。

 投手組はそのままピッチングへ。S班のみの時には、埋まることがなかったブルペンの6つのレーンは、あっという間に埋まっていった。
 
 エース・菅野智之やFA加入の井納翔一、明日の練習試合(対広島)で対外試合初登板を迎えるドラフト1位・平内龍太らは姿を見せなかったものの、この日のブルペンには、畠世周、桜井俊貴、高梨雄平、田中豊樹、戸根千明、大竹寛、サンチェス、ビレイラ、今村信貴、中川皓太、高橋優貴、戸郷翔征、横川凱、そしてドラフト4位ルーキー・伊藤優輔が次々に登場。投手20名のうち、実に14名が登板した。活気に満ち溢れていた光景を、途中から原監督もじっくりと眺めていた。

 特に存在感を見せていたのは、昨年9勝をあげ、セ・リーグ新人特別賞を受賞した3年目右腕・戸郷翔征だ。前の投手が投球を終え、マウンドにトンボをかけようとする中、いてもたってもいられなかったのか、マウンドの前のスペースでキャッチボールを開始していた。

 準備が整い捕手が座ると、1球1球を早いテンポで次々と投げていく。その1球投げるごとに「オラッ!」と発する声も大きくなっていった。その声量や時折見せる笑顔から、心身共に充実している様子が伺い知れた。さらに、途中からブルペン捕手と交代してボールを受けていた小林誠司から「(ボールが)強く見えるよ!」。見守っていた宮本和知投手コーチからも「素晴らしい!」と、相次いで声が飛ぶほどだった。

 この日は、ストレート以外にもカットボール、チェンジアップ、カーブ、フォーク、スライダーなど、様々な球種の感触を確かめていた戸郷は、67球を投げ終えたところで「ラスト3球!」と宣言したが、ラスト1球を決めきれずにおかわりを2球要求。72球でフィニッシュとなったが、投げ終えた後は満足気な表情を浮かべていた。