オリックスの開幕連敗阻止は、若きエース・山本由伸に託されることになった。
27日、宮崎市のSOKKENスタジアムで行われたソフトバンク戦で2番手として登板後、山本が「中嶋聡監督から『(3月)26日(の西武戦に)行くぞ』と言われた」と明らかにした。
開幕投手指名に恥じない投球だった。
2年連続開幕投手・山岡泰輔の後を継ぎ、4回から登板した山本は、2安打を許したものの、150キロ台の直球がコースに決まり、3イニングを5つの三振を奪い、2塁を踏ませなかった。「しっかりと強いボールを投げることができた。四球もなくテンポよく投げることができた」と投球を振り返った。開幕投手について聞かれると「今日、投げ終わった後に、監督から『26日、行くぞ』と言われた」と切り出した。監督室で開幕投手の指名を受けたそうで「素直にうれしい。『やってやるぞ』という気持ち」と声を弾ませた。
チームの開幕戦勝利は2010年の楽天戦以来なく、11年は引き分けでその後は9連敗。「9年間の長い間、勝てていない悪い流れを断ち切りたい。何としても勝ちたい」と意気込みをみせた。
中嶋監督は、3年連続開幕投手を目指し、この日先発して3イニングを2安打、4奪三振、1四球の山岡について「今日は直球主体で、質のいいボールが来ていた」と評価。開幕投手については「キャンプを見て決めようと思った。山岡は、今日は良かったが、最後まで見極めようと思った」と経緯を説明した。「3人(山岡、山本、田嶋)のうち、誰かと思っていた。どこで決めてもいいが、キャンプ前でも、途中で決めたわけでもない」と、キャンプを通して総合的に判断したという。
指名の決め手は、中嶋監督が常々、口にする「開幕ダッシュ」にもあった。「最初から『またか』と(選手に)思われるのが嫌」と、“負の遺産“に終止符を打つためには、最優秀防御率、最多奪三振と2年連続タイトルを獲得した勢いのある山本に、2021年シーズンを託すことになった。
期待する一方で、中嶋監督は「開幕戦9連敗と言っても、過去のこと。俺もヨシノブ(山本)も(開幕を経験するのは)初めて。マスコミが言うだけで、日々新たにいく。(投手)全員に期待する中で(山本が)トップに行くだけ」と、22歳の右腕に過度のプレッシャーを与えないようにする配慮も忘れなかった。
文●北野正樹(フリーライター)
【著者プロフィール】
きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。
【宮崎キャンプPHOTO】オリックス|開幕に向け準備が進むオリックスのキャンプの様子をお届け
27日、宮崎市のSOKKENスタジアムで行われたソフトバンク戦で2番手として登板後、山本が「中嶋聡監督から『(3月)26日(の西武戦に)行くぞ』と言われた」と明らかにした。
開幕投手指名に恥じない投球だった。
2年連続開幕投手・山岡泰輔の後を継ぎ、4回から登板した山本は、2安打を許したものの、150キロ台の直球がコースに決まり、3イニングを5つの三振を奪い、2塁を踏ませなかった。「しっかりと強いボールを投げることができた。四球もなくテンポよく投げることができた」と投球を振り返った。開幕投手について聞かれると「今日、投げ終わった後に、監督から『26日、行くぞ』と言われた」と切り出した。監督室で開幕投手の指名を受けたそうで「素直にうれしい。『やってやるぞ』という気持ち」と声を弾ませた。
チームの開幕戦勝利は2010年の楽天戦以来なく、11年は引き分けでその後は9連敗。「9年間の長い間、勝てていない悪い流れを断ち切りたい。何としても勝ちたい」と意気込みをみせた。
中嶋監督は、3年連続開幕投手を目指し、この日先発して3イニングを2安打、4奪三振、1四球の山岡について「今日は直球主体で、質のいいボールが来ていた」と評価。開幕投手については「キャンプを見て決めようと思った。山岡は、今日は良かったが、最後まで見極めようと思った」と経緯を説明した。「3人(山岡、山本、田嶋)のうち、誰かと思っていた。どこで決めてもいいが、キャンプ前でも、途中で決めたわけでもない」と、キャンプを通して総合的に判断したという。
指名の決め手は、中嶋監督が常々、口にする「開幕ダッシュ」にもあった。「最初から『またか』と(選手に)思われるのが嫌」と、“負の遺産“に終止符を打つためには、最優秀防御率、最多奪三振と2年連続タイトルを獲得した勢いのある山本に、2021年シーズンを託すことになった。
期待する一方で、中嶋監督は「開幕戦9連敗と言っても、過去のこと。俺もヨシノブ(山本)も(開幕を経験するのは)初めて。マスコミが言うだけで、日々新たにいく。(投手)全員に期待する中で(山本が)トップに行くだけ」と、22歳の右腕に過度のプレッシャーを与えないようにする配慮も忘れなかった。
文●北野正樹(フリーライター)
【著者プロフィール】
きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。
【宮崎キャンプPHOTO】オリックス|開幕に向け準備が進むオリックスのキャンプの様子をお届け