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プロ野球

絶望の淵から這い上がったサブマリン。オリックスのドラ4・中川颯がプロ野球選手の夢を掴むまで

北野正樹

2021.02.17

「大学時代は失敗の連続。何度も挫折した」と中川は言う。写真:北野正樹

「大学時代は失敗の連続。何度も挫折した」と中川は言う。写真:北野正樹

 オリックスに、絶望の淵から這い上がり、プロ野球選手になる夢を叶えたルーキーがいる。甲子園出場経験のある父と、トップを目指し二人三脚で始めた野球。小さい体を生かそうと小学6年生で自らアンダースローへの転向を決断し、東京六大学リーグでプレーするまでに上り詰めた。そこで見た天国と地獄。自死まで考えたという深い闇から抜け出し夢を実現させた今、「野球が楽しくて仕方がない」と爽やかな笑顔でボールを操る。

 中川颯投手、22歳。神奈川県横浜市出身のアンダースロー。桐光学園高から立教大を経て、昨年秋のドラフトでオリックスに4位指名された。桐光学園時代は甲子園こそないものの、神奈川大会で準優勝するなどなど投打に活躍。立教大でも入学早々、1年春のリーグ戦で抑えとして10試合に登板、2勝を挙げ防御率2.57で35季ぶりのリーグ優勝に貢献。日本大学選手権では59年ぶりの日本一導いた。184センチの大きな体を折り曲げ、地面すれすれからリリースされる浮き上がるストレートにカーブ、スライダー、ツーシーム、チェンジアップと多彩な変化球を織り交ぜる芸術的な投球が武器の右腕だ。

 しかし、その後は低迷。2年の秋に3勝(防御率3.04)したものの、3年秋までは8勝にとどまった。リーグ戦前のオープン戦では抑えるものの、リーグ戦が始まると通用しなくなることの繰り返し。配球や球筋を研究されたことに加え、体の動作など様々なアドバイスを取捨選択することが出来ずに悩んだ。また、体の成長やトレーニングの成果で威力が増したストレートに頼ってしまい、単調な投球になったことも大きな失敗だった。
 
 「大学時代は失敗の連続。何度も挫折した」と中川。それでも、「変化球があってこそ、ストレートが生きる」と、緩急の差で三振を奪い凡打に仕留めて活路を開き、ドラフト候補に辿りついた。しかし、4年春のリーグ戦はコロナ禍で中止。ドラフトを控えた昨年秋のリーグ戦には満を持して臨んだが、再び思うような投球が出来なくなってしまった。初戦の明大戦に先発。3回まで打線の援護で3-0とリードしながら逆転を許し、5回を7安打、自責点4で負け投手に。翌日の2回戦は3-6と追い上げた直後に4番手で登板したが、3失点で試合を壊してしまった。慶大1回戦では九回に登板し2失点。この3試合の自責点は12.15と散々な内容だった。

「今までで一番、自信を持って臨んだリーグ戦なのに、ボロボロ(の成績)。自信満々だったところから、一気に叩き落された」と振り返る。最大のピンチに自分と向き合い過ぎたのだろう。ドラフト直前の不甲斐ない投球に、中川は自死まで頭をよぎるほど追い詰められたという。
 

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