久々のマウンドでサムライが躍動した。

　現地時間３月５日、エンジェルスの大谷翔平はアリゾナ州メサで行なわれたアスレチックスとのオープン戦で今シーズン初の実戦登板に臨んだ。１回2/3を投げ、５奪三振２四球、３安打１失点に抑えた。

　２回にラモン・ラウリアーノとトニー・ケンプに二塁打を浴びて失点を喫した大谷だが、90マイル後半（約155キロ前後）から100マイル（約160キロ）の速球を軸に、スプリット、カーブ、スライダーを織り交ぜた投球で、マット・オルソンやマット・チャップマンといったアスレチックスの主力バッターから三振を奪取。昨年８月のアストロズ戦以来、215日ぶりの実戦登板で"投手・大谷"の復活を印象付けた。

　日本ハムファイターズ時代を含め、初めてオープン戦で100マイルを記録するなど、順調な仕上がりを見せる大谷。その投球内容に名将も手応えを口にした。米放送局『FOX Sports』は試合後、エンジェルスを率いるジョー・マドン監督のコメントを紹介。「かなり良かった」と笑顔で称え、こう続けている。

「投球フォームも腕の振りも、昨年に比べて格段に良くなった。とくにフォームがすごく良くなっていることは、強調してもし切れないね。昨シーズンとは全然違うと思うよ。すべてはここからだ」

【動画】最速100マイルを記録した大谷翔平の快投シーンはこちら 　さらに100マイルの速球と落差の３つの三振を奪った大きいスプリットについては、「かつて投げていたような球速のキレを取り戻せているし、良い変化球とスプリットも投げられる」と絶賛。今後、大谷を６人で回すローテーションの一角に含めるプランを明かした。

「彼の順番が来たら投げるだけだ。とくにローテの順番は決めていないが、一度固定したら大谷もその一員としてほかの投手と同様の扱いになるだろう。なによりも重要なことは、今日のような投球を継続的に再現させていくことだからね。今日は味見のようなものだし、ここからさらに良い方向に前進していかねばならない」

　３度の最優秀監督賞を誇る百戦錬磨の名将からも太鼓判を押された大谷。完全復活に向けて、期待値は高まる一方だ。

構成●THE DIGEST編集部