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MLB

大打者カブレラが史上初の3000安打&500本塁打同一年達成?――2021年にMLBで達成されそうな記録・打者編

宇根夏樹

2021.03.09

12年にMLB45年ぶりの三冠王に輝いたカブレラ。今季は史上初の勲章を手に入れる可能性十分だ。写真:GETTY IMAGES

12年にMLB45年ぶりの三冠王に輝いたカブレラ。今季は史上初の勲章を手に入れる可能性十分だ。写真:GETTY IMAGES

 ミゲル・カブレラ(タイガース)は球史に残る大打者だ。2005年から16年までの12シーズン中、OPS.940未満は08年と14年の2度だけ。12年の三冠王を含め、本塁打王と打点王を2度ずつ獲得し、首位打者は4度を数える。今すぐ引退するとしても、将来の殿堂入りは有力だ。

 近年はさすがに衰えを隠せないものの、通算3000安打と500本塁打という2つの大きなマイルストーンに手が届くところにいる。それぞれ、あと134安打と13本塁打だ。MLB.comのタイガース番記者ジェイソン・ベックらによると、カブレラはキャンプイン早々に「どちらも達成できるといい。今年の目標の一つさ」と語ったという。

 19年は139安打と12本塁打。短縮シーズンの20年は51安打と10本塁打を記録した。長期離脱さえなければ、今シーズン中の到達は可能だろう。3000安打&500本塁打の達成者はこれまで6人いるが、両方とも同じシーズンに到達した選手は皆無だ。
 通算本塁打ランキングで、カブレラのすぐ上には493本のルー・ゲーリッグとフレッド・マグリフがいる。ALS(筋萎縮性側索硬化症)により、37歳で亡くなったゲーリッグの命日が今年から「ルー・ゲーリッグ・デー」と制定されたが、その日にカブレラがシーズン6本目の本塁打を打ち、ゲーリッグに並ぶこともあり得る。

 一方、現時点で3236安打&662本塁打のアルバート・プーホルス(エンジェルス)は、史上4人目の6000塁打まで53塁打に迫る。史上9人目の出場3000試合までは138試合だ(ニグロリーグの成績がメジャーリーグの記録となるのに伴い、達成者の人数は変わる可能性あり)。2つのマイルストーンのうち、少なくとも6000塁打にはたどり着くだろう。今季が10年2億4000万ドルの契約最終年であるプーホルスは、シーズン終了後に現役続行か引退を決めるという。可能性としては後者の方が高そうだ。

 クリス・デービス(オリオールズ)とジョーイ・ボトー(レッズ)は通算300本塁打まで5本としている。もっとも、昨シーズンのデービスは16試合(52打数)で0本に終わった。出場機会をどれだけ得られるかはっ不透明で、またしても大台には届かないかもしれない。ボトーは2000安打もあと92本。こちらは、300本塁打と2000安打をどちらも達成するだろう。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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